カンボジア拠点特殊詐欺 被告に懲役5年 架空のFXに誘い込んで現金をだまし取る
カンボジアを拠点にした特殊詐欺事件を巡って佐賀県警が逮捕し、詐欺罪に問われた大阪市淀川区、無職の男(49)に佐賀地裁は25日、懲役5年(求刑懲役6年)の判決を言い渡した。架空のFX(外国為替証拠金取引)に誘い込んで現金をだまし取る巧妙な手口で、多額の被害が生じているとした。 岡﨑忠之裁判長は判決理由で、被告が中国人の指示に従っていて従属的な関与にとどまる面もあるとしつつ、「詐欺の可能性を途中から十分認識し、日本語のやりとりの修正作業などを行った」と指摘した。日本人を詐欺の標的にしていることも踏まえ、「(被告は)不可欠な役割を果たし、厳しい非難を免れない」とした。 判決によると、数人と共謀して昨年4~5月、SNS(交流サイト)を通じてFXの投資話を持ちかけた鳥栖市の40代男性ら4人から計約4千万円を送金させてだまし取った。 弁護側は「中国人詐欺グループの指示で文章の訂正をしていて、被害者らから詐取しようとする故意はなかった」として無罪を主張していた。被告の弁護人は控訴について「慎重に検討する」と述べた。