玉村本店のザ・ファーイースト/バーレイ・エイジド・インペリアル・ハウスIPAはビール界のウイスキーだった
酔いどれ編集長のクラフトビール飲みある記(73) フリーカメラマンの斎藤克己さんは、前回登場時(連載52回目)に伝えたようにIPA(インディア・ペール・エール)を愛飲している。僕がIPAファンにさせたようなものだ。 日本人は大手4社(アサヒ、キリン、サントリー、サッポロ)が醸造している下面発酵のラガービール(しかも味はどれを飲んでもほとんど変わらない)ばかり飲んでいることもあり、上面発酵のエールビールが主体ののクラフトビールを初めて飲むと「これがビール?」という反応を見せる人が多い。そこから「やっぱり普通の(4大手が造った)ビールの方がいい」という人と、「こんなビール飲んだことない!」と興味を示す人に分かれる(経験上、前者の方が多い)。 克己さんはハワイに住んでいることもあってクラフトビールに寛容だった。日本の自宅に僕がIPAばかり持っていくこともあり、すっかりIPAのファンになってくれた。今では自宅にブリュードッグのパンクIPAなどのクラフトビール(そのほとんどがIPA)を常備しているほどだ。 そんなこともあって、年に数回ほど、克己さんのマンション(もちろん国内の方)で、美食&IPAパーティーを開くようになった。今回はすき焼きだ。IPAを持っていくのが僕の役目。いつも克己さんが飲んだことのないIPAをチョイスして持参する。この日、選んだのは以下の6種類。 ブラックタイドの「海神(KAIJIN) ダブルIPA」(ホップの香り良し。モルティーさもあり、ホッピーさもあり。最後に苦みが残る。好み。アルコール度数は8・5%) リヴィジョンとMoksa(どちらも米国)のコラボの「アンリレンティング」(ウエストコーストIPA。アンリレンティングは「容赦しない」という意味。甘めのモルト感あり。アルコール度数は8・5%) ひみつビールの「シードラゴン」(ダブルIPA。ポップの香り良し。モルティーかつホッピー。アルコール度数は8・5%) うちゅうの「クラブネブラ」(DDHトリプルIPA 甘いフローラルな香り。最初に甘さがあるが、ドライ系ヘイジー。ハイアル感あり。アルコール度数は9・5%)