角川歴彦被告 「人質司法」で肉体的、精神的苦痛 国に2・2億円の損害賠償求め提訴
東京五輪汚職事件で、大会組織委員会元理事側への贈賄罪に問われた出版大手KADOKAWA前会長の角川歴彦被告(80)は27日、否認した場合に身柄拘束が長引く「人質司法」で肉体的、精神的苦痛を受けたとして、国に2億2000万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴した。 弁護団とともに会見を開き、東京拘置所で226日間にわたって勾留されたことを「拷問という言葉は使いたくなかったが、やはり自分は拷問を受けていたんだと感じた」と振り返った。当時79歳と高齢で、不整脈などの持病もあり主治医からは「死に至る可能性もある」と宣告されていたという。 弁護団長の村山浩昭氏は「接見中に2度意識を失っている」と明かし「それでも満足な手当てを受けさせてもらえず、最終的には車椅子で保釈された。死の淵に立たされたと言っても過言ではない」と訴えた。 角川被告は「東京という大都市の中で拘置所という隔離された別世界があることを身をもって体感した」と強調。日本で人質司法を問う訴訟提起は初めてで「話さなければならない義務があると思っています。どんな形でであれ日本を変えていきたい」と制度改革へ意気込みを語った。