”藤浪ショック”はサッカー界へも教訓…危機管理の徹底と「隠さない勇気」
不測の事態とはイコール、クラブ内でクラスター(集団感染)が発生し、試合開催に必要な人数をそろえられない状況を指す。特定エリアで政府や自治体から緊急事態が発令されたときも当てはまる。シーズンの日程によっては延期された試合を消化できない可能性もあるため、臨時実行委員会ではシーズンを成立させるための具体的な条件も決められた。 リーグ戦では全試合数の75%に、クラブ単位では50%に満たない場合はシーズンとして不成立となり、優勝クラブや昇格クラブ、個人表彰や上位勢への賞金も支払われない。合計で306試合、1クラブあたり34試合を戦うJ1ならば全体で230試合、クラブごとでは17試合がボーダーラインとなる。 競技の公平性を決めるプロジェクトチームのリーダーを務める窪田慎二理事は「大会開催についてはもちろん、すべての公式戦の実施を目指しています」と前提を掲げる。それでも不確定要素が多いなかでミニマムの数字を定めることもまた、必要不可欠なリスクマネジメントのひとつとなる。 (文責・藤江直人/スポーツライター)