パナソニック、闇バイトによる緊縛強盗に「攻めの防犯力」を!元刑事が指南
警察庁の犯罪統計によると、2022年まで減少傾向にあった侵入強盗の認知状況は、23年に一転して1.4倍の414件に増加した。闇バイトによる緊縛強盗など凶悪な事件の報道が増える中、パナソニックは12月4日、「攻めの防犯力」を身につけるための「防犯力 スキルアップ体験会」を開催。元埼玉県警察本部刑事部捜査第一課の警部補だった佐々木成三さんのトークセッションを交えながら、最新の防犯対策と、防犯に役立つパナソニックの製品を紹介した。 【写真ギャラリー】 ●闇バイトは素人だから犯行が手荒い 元刑事で現在はスクールポリス理事として中高生を対象にデジタル危機管理の指導などを行っている佐々木成三さんは、最近の強盗事件の特徴を次のように語る。 「闇バイトは素人による犯行がゆえに手荒だ。その上、指示役が選んだ犯行現場に行くだけなので主体性がない。これまでの防犯対策が通用せず、アップデートする必要がある」。 プロの侵入犯は、侵入までに5分以上かかると7割があきらめるといわれるが、素人は犯行にかかる時間や周囲の防犯カメラなどを気にしないという。 「防犯カメラが9台設置してある家に強盗が入った。闇バイトの実行犯は下見もしないで行くから、カメラがどこに設置しているかも事前に把握せず犯行に及ぶ」と語るように、元刑事の経験から「この家には入らないだろう」と思うような家にも侵入する。 11~12月の犯罪が増えるシーズンに、どのような対策を講じればいいのか。佐々木さんは侵入犯を威嚇する「攻めの防犯」がポイントとする。 具体的に(1)「下見など侵入前の備え」、(2)「侵入時の備え」、(3)「侵入されない備え」の3段階に分けて、それぞれが連携する対策が必要だ。体験会では佐々木さんが指示役となり、実行犯が犯行に及ぶ際のポイントを寸劇スタイルで説明。合わせて、対策製品を紹介した。 ●音声を発して、犯人に警告や威嚇をする まず(1)では、業者を装って電話を掛けてターゲットとする家庭の情報を引き出そうとする犯人に対して、呼び出し音が鳴る前に「この通話は迷惑電話防止のために録音されます」と警告する機能を備える電話が有効だ。 パナソニックの「VE-GE19DL」はその機能が備わっているほか、親機に登録していない相手からの着信があると、赤いLEDが点灯して注意を促す。 また、「VE-GD78DL」は離れて暮らす家族など第三者と通話しながら、録音した音声を聞いてもらって、怪しい電話かどうかを判断してもらえる機能を搭載する。 ドアホンは広角カメラを搭載したモデルなら、脇に隠れている複数人の犯人を確認できる。この際も、アナウンスで警告する。パナソニックの「VL-SWZ700シリーズ」は、録画を開始してから20秒以内に名前と要件を聞き出すアナウンス機能や、男性の声に変換するボイスチェンジ機能を搭載する。 さらに、遠く離れた息子などのスマホのアプリにドアホンの通知が届き、息子がドアホンの映像を見ながら怪しい人物に応答できる機能もある。年配の一人暮らしや二人暮らしでも、若い男性が住んでいることを装って威嚇できる。まさに攻めの防犯といえるだろう。 次の(2)では、屋外カメラ「VL-CV100K」(12月19日発売)なら、人感センサでLEDライトが明るく光るだけでなく、侵入者に対して声掛けで威嚇することもできる。 ●物音がしたら近寄らずに逃げる 最後の(3)では、窓の開閉センサ「KX-HJS100」を装備しておく。ただ、佐々木さんは「犯人が侵入しようとして物音がしたり、開閉センサの警報音が鳴っても、窓に近づくのではなく、内鍵がかけられる部屋に逃げて、そこから警察に通報すること」とアドバイスする。 ほかにも長期間不在にするときの空き巣対策には、外出先からスマホで照明を点灯や消灯させたり、タイマー設定で自動点灯させたりして、住人がいることを演出できるLEDシーリングライトも有効だ。 最後に佐々木さんは「闇バイトの強盗事件には一つの対策ではなく、下見やアポ訪問、侵入前と侵入された後など“連携する防犯対策”がとても有効だ」と語った。(BCN・細田 立圭志)