日銀の追加利上げが「日本株」に与える影響【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
当時利上げでも日経平均は上昇、今回も影響は限定的とみるが、前回同様、米国要因に注意
次に、金融環境を確認すると、2006年6月から2007年6月までのドル円と日本の10年国債利回りは図表1の通りで、ドル円は振れ幅を伴いながらドル高・円安方向に進み、10年国債利回りは2007年春先まで低下し、その後は水準を切り上げる動きがみられます。日銀の利上げで必ずしも、円高、円金利上昇とならなかったのは、米国が2004年6月から2006年6月まで利上げ局面にあったことも影響していると推測されます。 最後に、同期間の日経平均株価の推移をみると、日銀の利上げでも上昇していることが分かります(図表2)。ただ、ダウ平均も上昇しており、これも一定程度、追い風になったと思われます。弊社は、日銀が10月に追加利上げを行うと予想していますが、急速な引き締めへの転換ではないため、日経平均への影響は限定的とみており、過去の経緯を踏まえると、米国経済や米国株の動向にも注意が必要と考えています。 (2024年5月9日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『日銀の追加利上げが「日本株」に与える影響【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』を参照)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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