<虎に翼>娘を思う母の気持ち、たまりにたまった男たちへの鬱憤を体現 石田ゆり子の演技に賞賛集まる
伊藤沙莉さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第5回が、4月5日に放送され、ヒロインの母・猪爪はるを演じる石田ゆり子さんの姿に視聴者の注目が集まった。 【写真】「虎に翼」オフショット お疲れな感じがまた色っぽい 品がある石田ゆり子の和装姿 撮影者は?
第5回では、穂高(小林薫さん)に出くわしたことで明律大学女子部法科への出願が、はるにばれてしまった寅子(伊藤さん)は、「本当の親不孝者になった」と感じつつ、はるとの対話を試みる。
しかし、はるは「あなたが優秀なことくらい分かってます!」と切り出すと、「だから女学校に行かせた。お母さんが行きたくても行かせてもらえなかった女学校に。母さん、5人きょうだいの4人目だったから、高等小学校までしか行かせてもらえなかった。母さんの母さんはね、私をどこに嫁がせればいちばん旅館にとってうまみがあるか、それしか考えていなかった。それがしゃくだからお父さんと結婚したの。もちろん今では、父さんと一緒になって、心からよかったと思ってますよ。でも、その当時は旅館から遠く逃げられるなら、誰でもよかったのかもしれない。とにかくね、私は決めたの。私は自分の子供の幸せをいちばんに考えられる母親になろうって」と自分の考えを言い聞かせようとする。
続けてはるは「きっとあなたはその女子部とやらでも、勉学に励んで優秀な成績を収めることでしょう。法律家にだって、もしかしたらなれるかもしれない。でも、なれなかったときは? なれたとしてもうまくいかなくて、やめなくてはいけなくなったときは? どうせ父さんは、いざとなったら全部俺が何とかするからとか、そんなふうに言ったんでしょう。でも分かるでしょう。夢破れて、親の世話になって、行き遅れて、嫁のもらい手がなくなって、それがどんなに惨めか。想像したことある?」と寅子に問いかけ、「今行こうとしている道で、あなたが心から笑えると、母さんは到底思えないの。どう進んだって地獄じゃない? そうでしょう。頭のいい女が確実に幸せになるためには、頭の悪い女のふりをするしかないの。だからあなたは、新しいきれいな振り袖を着て、できるだけあなたに見合った殿方とお見合いをするんです。絶対に!」と反論を許さなかった。