戦没者慰霊と世界平和祈る炎 奈良で「大文字送り火」
奈良県出身の戦没者2万9243人を慰霊
戦没者慰霊と世界平和祈る炎 奈良で「大文字送り火」撮影・編集:柳曽文隆 THE PAGE大阪
戦没者の慰霊、そして世界平和を祈る火の祭典「奈良大文字送り火」が15日夜、奈良県奈良市の「高円山」で行われ、炎により浮かび上がった「大の字」を同市内のあちらこちらからみることができた。 【拡大写真と動画】1万本のろうそくと祈り 四天王寺で「万灯供養」
火床の数は108「大」の字の大きさは日本でも最大級
この送り火は、1960年に奈良県出身の戦没者、2万9243人を慰霊するために始まった。「大」の文字を形成する火床の数は、人間の煩悩と同じ108。大きさは1画目が109メートル、2画目が164メートル、3画目が128メートルで、日本でも最大級を誇るという。
平城宮跡付近でも多くの見物人
同日午後8時から点火が始まり、少しずつ炎があがるとともに「大の字」が浮かび上がり、同市内各所から眺めることができた。高円山から直線距離で北西へ約8キロ離れた同市佐紀町の「平城宮跡」からも、大の字を写真におさめようと、多くの人がカメラを手に集まっていた。 奈良市内から自転車で来たという70代の男性は「慰霊の祈りを捧げた後に、カメラで撮影しています。さっき雨が降って天気が心配でしたけど、無事に火がつけられて良かったです。僕も来年は来れるかわからないから、消える前に別の場所でも撮影しに行きます」と話し、再び自転車で移動していった。炎は同日午後8時半すぎにはほとんど消えていった。