忽然と消えたアイルランドの至宝、ホームズも解けない?今も人々を魅了する世紀の迷宮事件
関心は今も衰えず
「1907年以降、とてもたくさんの人が『情報』を提供しています」とダンガン氏は言う。 1998年には、ビカーズの邸宅だったキルモアハウスの敷地に宝石が隠されているという匿名の情報が寄せられたが、デマだった。 現在、この事件についての公式な捜査は行われていないが、それでもアマチュア探偵たちは果敢に謎解きに挑み続けている。2024年9月には、歴史家でテレビ番組やポッドキャストの司会を務めているダン・スノウ氏が、宝石の所在に関する情報提供を呼びかけた。 ダンガン氏は、宝石が見つかることはないだろうと考えている。そのままの形で残されているとはとても思えないからだ。 「かなり昔にバラバラにされているはずです。そのひとつが、皆さんのダイヤモンドの結婚指輪になっているかもしれません」 いったい宝石はどうなったのか。決してたどりつけない真相を残したまま、その謎は今も人々を魅了し続けている。
文=Parissa DJangi/訳=鈴木和博