スクエニHD株、一時ストップ安-今期営業利益計画が市場予想下回る
(ブルームバーグ): スクウェア・エニックス・ホールディングス(HD)株が14日、一時ストップ安となる前日比16パーセント安の5268円を付けた。2011年3月15日以来の日中下落率となる。同社が13日に公表した今期(2025年3月期)の通期営業利益計画は前期比23%増の400億円と、市場予想(572億円)を下回った。
野村証券の三木成人アナリストは13日付けのメモで、利益成長期待は低下、施策の効果が現れるまで数年を要するだろうと指摘。短期的な利益成長期待が低下する点はネガティブと考えるとした。
同社の桐生隆司社長は13日に開いたアナリスト向け説明会で、人気シリーズの過去作のリメイクである「ファイナルファンタジー7 REBIRTH」やアクションゲーム「フォームスターズ」などが売り上げや営業利益のパフォーマンスにおいて同社の期待値に届かなかったと述べた。昨年6月に発売した「ファイナルファンタジー16」も年度目標に届かなかったという。さらに、短期間に多くのタイトルの開発が重複し、顧客の可処分時間に制限がある中で自社の作品同士で需要を取り合う形となったとも話した。
スクエニHDはまた、新たな中期経営計画で27年3月期に営業利益率15%を目指すほか、200億円を上限に自己株式取得枠を設けることも発表した。
SMBC日興証券の前田栄二アナリストは同日付けのリポートで、「新中期経営計画は目標数値的にはやや物足りない印象」としつつ、自己株式取得枠の設定は前向きに評価したいとコメント。コンテンツ資産の見直しが進んだ点はポジティブとした。
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Takashi Mochizuki