40代の姉妹、お互い独身なので老後は同居する予定です。2人とも会社員で退職金ももらえるので、貯金が少なくても暮らしていけますよね?
Aさん・Bさんは40代の仲良し姉妹です。おひとりさま同士、老後は一緒に暮らそうと話しています。 貯金額は2人合わせて300万円ほどですが、会社員で退職金があり、厚生年金ももらえるので、老後は問題なく暮らしていけそうだと話しています。 仲が良いから節約も助け合えるそうです。それって本当でしょうか?
40代の現役で、70代の状況はコミットできない
ご相談者は現在40代、つまりは現役真っただ中ということですね。この年代は仕事にも慣れ、体力的にも充実しています。おひとりさまなので、子どもの教育費などを心配する必要もなく、毎月安定した収入があってプライベートも仕事も楽しめる頃です。 以前にも、このようなおひとりさま同士で老後は一緒に暮らす、という約束をしているというお話をされていたご相談者がいらっしゃいましたが、その後、一緒に暮らすと約束していたお一人はご結婚されて、プランを考え直さなければならなくなったと、もう一人の方が再びご相談にお見えになったことがありました。 つまり、真剣にシニアライフと向き合うことになるのは50代後半からです。最近では、結婚のタイミングもいろいろです。また仮に、どちらも非婚のままで過ごすと考えても、同じころに健康寿命が終わりを迎えることになります。助け合いたくても、助け合えるかどうかはわかりません。 自分のことを自分でできなくなることを自覚し、訪問介護サービスの利用や介護施設入所を検討するようになったころに向けて、どのように準備していくかを現役時代からプランニングしなければなりません。
経済的にやりくりできるかは健康状態しだい
老齢年金は国民年金と厚生年金の2階で構成されており、国民年金は納付期間、厚生年金は納付期間と納付した年金保険料で決まります。正社員で長期間にわたって勤務してきたのであれば、国民年金・厚生年金を併せてひと月15万円程度は受給できるでしょう。 さらに、企業年金や民間の生命保険会社での年金プランに加入していた場合はそれに上乗せされます。加えて退職金も受け取れるのであれば、経済的には問題ないといえるでしょう。ただしこれには「良好な健康状態」という前提つきです。 仮にどちらかに疾患が見つかり入院・手術を余儀なくされるということになれば、本人にも相手にも大きな負担となり、また施設入所や訪問介護サービスの利用ということも考えなければならなくなる可能性があります。 医療費そのものは保険でカバーできたとしても、自宅の場合であれば手すりをつけたりリフォームをしなければならなくなったりすることもあります。また認知症になった場合は、何がどうなっているのかを自分で判断できなくなるのです。日ごろから情報の整理は徹底しておくことが大事になります。 健康状態は予測不可能ではありますが、どんなに健康であっても加齢とともに弱っていくことは認識しておく必要があります。