閉店するイトーヨーカドー店長の無念「自分にもう少し力があれば、経営を回復させることができれば…」国内のヨーカドー全店制覇を掲げる愛好家が強く印象に残った店長の最後の言葉
ヨーカドーの撤退で過疎化してしまった駅も
まのさんがこの企画を発案したのは昨年の10月22日だが、それまでにも全国のヨーカドーを訪れており、閉店した店舗も含めて、これまでに121店舗ものヨーカドーを回ってきたという。そんな中で、特に印象に残っている店舗はどこなのだろうか。 「残念ながら9月29日に閉店することが決まってしまった、青森県の弘前店が強く印象に残っています。こちらは現在営業している店舗の中では東北最古のヨーカドーで、約48年もの歴史があります。 地下を含めて9フロア、シースルーエレベーターが2基という出立ちは、まさにデパートといえる規模感で、東北地方における旗艦店のような役割だったのではないかと推測します。何度か訪れましたが平日でも賑わっており、撤退という決断はもったいない気もしてしまいますね」 いくら経営不振による撤退といえど、現在も多くのヨーカドーがその街の重要なインフラになっていることは疑いようがない。今年5月に福島県にあるヨーカドー福島店が撤退したところ、店舗があった福島駅西口の歩行者の通行量は3割以上も減少し、周辺の店舗の売り上げも減ってしまったと発表されている。 「閉業間際の各店舗のいくつかでは、開店当初のチラシやフロアガイド、新聞記事を展示していました。その中には『○日後に開店』という記事が当時の新聞の一面を飾っているものもあり、開店時はどれだけの人が楽しみにしていたのか、計り知れない期待の大きさを感じました。 しかしヨーカドー自体、新規開店するということをもう4年しておらず、私も開店に立ち会ったことはありません。総合スーパーのような業態はもう難しいかもしれませんが、何らかの形で新規開店をしてほしいと願うばかりです」 多くの人に期待されて開店し、その街のインフラとして地元住民の生活を支えてきたヨーカドー。最後に、各店舗の閉店時の店長の挨拶の中で、まのさんが強く印象に残っているものを聞いた。