三浦技研、エポン、ロッディオ…「地クラブ」の中古事情をCheck!
ゴルフクラブを製造するのは必ずしも大手メーカーだけではない。規模こそ小さいが、長年信念を持って開発を続け、ゴルファーに愛される会社もある。いわゆる“地クラブ”と呼ばれる用具の作り手であり、そういった個性的かつ魅力的なギアはかつて中古市場では二束三文の価格でしか流通していなかった。ところが近年は風向きが変わり、“健全に”取引されているという。今回は地クラブの中古事情について調べた。 【画像】厳選! 清本美波 PV上位BEST3のレッスンは?
「地クラブ」ってそもそも何だ?
パーシモン、いわゆる木製ウッドの全盛時代。各地の小さなゴルフショップや工房のクラブ職人たちは、クラブヘッドを木から削り出し、オリジナルブランドを立ち上げて販売していた。工場に特注のアイアンをオーダーし、自ら売り出す職人も珍しくなかった。 そういった作り手はメタルウッド時代に入ってからも、それぞれのブランドを残して製品を出し続けてきた。同じ頃、登場し始めたカーボンシャフトについても、自由な発想に基づいたオリジナルモデルを販売。1990年代後半、地域に根差した小規模メーカーのドライバーがそれぞれの土地で話題になり、地クラブブームが巻き起こった。 ただし最近は、地クラブとは名ばかりで、かつてのような“ご当地モノのギア”とは言い難い。規模が小さくとも、首都圏に本社があったり、大手メーカーにパーツを供給していたり、有名ブランドのクラブをOEMで実際に製造していたりする会社がつくるモデルを、総称して地クラブと定義する傾向がある。軟鉄鍛造アイアンで世界的に有名な三浦技研製のクラブですら、一般的にはそう認識されることがある。
人気は“隠れ大手メーカー”のクラブたち
エポンは国内外のメーカーにヘッドなどを供給している遠藤製作所のパーツブランドだ。オノフを展開するグローブライドのパーツブランドがロッディオ。そして、タイガー・ウッズをはじめ有名選手が使ってきたアイアンをOEMしてきたという噂の三浦技研製のクラブは、中古市場でも非常に人気がある。 エポン「AF-505」(2018年)、ロッディオ「PCフォージド」(2019年)、三浦技研「TC101」(2020年)は現在も、中古6本セットで約10万円が相場だ(新品販売の際、シャフトやグリップは別売り)。“地クラブは買い取り価格が低い”ということは決してない。ただし、工房やフィッティングスタジオで組み立てられた際の状態によって差が出る。流通数が少ないため、シャフトのラベルやプリント等がはがれていたりすると、買い手による判別が難しく、大手メーカーの製品に比べて査定が低くなりやすい。 筆者のオススメは、ロッディオのフェアウェイウッド「RODDIO FAIRWAYWOOD」(2015年)だ。リリースから9年経過した今も根強い人気を誇り、2万円台後半の相場を維持している。ユーティリティの「RODDIO HYBRID UTILITY」(2017年)も2万円台後半で品薄だ。どちらもチタンヘッドで飛距離性能の高さが魅力。メーカーは「性能を上回るクラブができたらモデルチェンジする」と公言しているが、上記2本はいまも名器と言える。