中村美律子、新シングル「人それぞれに」 多様性と故・石本美由起の深い人生観歌う
「河内おとこ節」などのヒットで知られるベテラン演歌歌手、中村美律子(73)が79枚目のシングル「人それぞれに」をキングレコードから出した。 実は平成5年に一度レコーディングしたが、レコード会社の担当者が代わるなどして、存在が忘れられていた。 「そんな歌ありました?っていう感じ」と中村は笑う。13年に「中村美律子2002全曲集」を出す際、発掘されひっそりと収められていたが、作曲した岡千秋(73)が、録り直して再び世に出したいと言い出した。 「岡先生はコロナ禍のさなかに、自作を聴き直し、この歌を再発見されたようです。レコーディングの際、泣いていました。それぐらい、この歌がお気に入りだったのでしょう」 人はそれぞれだとつづった歌詞は、平成21年に85歳で亡くなった石本美由起が書いた。くしくも今年がちょうど生誕100年。 中村は、「石本先生、すごい方ですよね。だって、この歌詞、いまでいう多様性を歌っているんですよ」と驚く。 〝夫婦もの〟のシングル曲が続いていたので、中村も新鮮な思いで、この忘れていた歌に再び取り組んだ。 「〝歌い映え〟、〝聴き映え〟のある歌。歌いがいもある。歌の主人公は男でも女でもなく、石本先生の人生観が反映され、深い意味がある。とても深いから、溺れないように気をつけてくださいね」(石井健)