サイモン・ラトル、バイエルン放送響の首席指揮者就任記念演奏会で披露したハイドン:『天地創造』を発表
マリス・ヤンソンスの後任として、2023/24シーズンからバイエルン放送交響楽団&合唱団の第6代主席首席指揮者に就任したサイモン・ラトル(Simon Rattle)。彼が首席指揮者就任記念演奏会で披露したハイドン:オラトリオ『天地創造』のライヴ録音が、2月14日(金)に発売されます。独唱はルーシー・クロウ(ソプラノ、ガブリエル / エヴァ)、ベンヤミン・ブルンス(テノール、ウリエル)、クリスティアン・ゲルハーエル(バス・バリトン、ラファエル / アダム)。2023年9月18日~22日、独・ミュンヘン“ヘルクレス・ザール”での録音です。 ラトルはハイドンの2作のオラトリオを得意とし、『天地創造』は1990年にバーミンガム市交響楽団&合唱団と録音。この録音は現代オーケストラによる代表的な演奏の一つとされています。また、ベルリン・フィルの首席指揮者としても、最後のシーズンのオープニングで『天地創造』を披露するなど、みずからの音楽活動の節目でとりあげてきました。 ラトルはこの曲の魅力について「壮大な合唱、優美なメロディ、最高度に洗練されたポリフォニー、すべてが人類に対する楽観的な見方にしっかりと根ざしています」とコメント。そのアプローチは、オーケストラでトランペットとトロンボーンにピリオド楽器を使いつつ、サウンドの先鋭さで耳を惹こうとすることなく、作品の壮大さと包容力を存分に伝えてくれます。バーミンガム市響との録音は英語版でしたが、ここではドイツ語版で演奏しています。 このオラトリオは1796年から1798年にかけて、興行主ザロモンの依頼を受けてハイドンが作曲した作品で、旧約聖書の「創世記」第1章とミルトンの「失楽園」を元にした台本が使われています。第1部では天地創造の第1日から第4日までが描かれ、混沌の中から光が生まれ、天使たちが舞い、神の栄光が歌われます。第2部は第5日と第6日。生き物たちが地と空を覆い、人間が造られます。そして第3部では人間の「アダムとエヴァ」が主役となって物語を進め、最後は対位法を駆使した壮大な合唱で創造主を讃える大団円となります。