"おかず"の主役級が続々と! 冷凍シュウマイの逆襲!!【みんなが知らない、シュウマイの実力】
連載【日本シュウマイ協会会長・シュウマイ潤の『みんなが知らない、シュウマイの実力』】第7回 かつての冷凍シュウマイというと、"お弁当の副菜的なおかず"ぐらいの存在感でしたが、近年、各メーカーは主役級の冷凍シュウマイを続々と販売しています。その各社特徴をシュウマイ研究家のシュウマイ潤が教えます。 【写真】冷凍シュウマイのシンボルとなっている、主役系おかずシュウマイ * * * これまで飲食店のシュウマイを中心に紹介しながら、シュウマイの知られざる価値を伝えてきましたが、今回は家庭でのシュウマイについて。 もちろんその価値は高く、むしろ歴史的には家庭での浸透によって、日本におけるシュウマイの認知度は向上してきたといえます。一方で、その家庭での認知度の向上が、現在のシュウマイのマイナーな地位に定着してしまった要因とも......。悲しいことです。 家庭で食べるシュウマイは、大きく分けて「冷凍」「冷蔵(チルド)」「手づくり」に分けられます。今回は、なかでも近年大きな変化を遂げた「冷凍」。 よく飲食店では、「この店のシュウマイは冷凍だ!」というと、否定的な印象を持たれるかもしれませんが、シュウマイを冷凍で保存すること自体、決して悪いことではありませんし、良きシュウマイを出す飲食店でも、冷凍で保存しているところは少なくありません。 むしろ、冷凍シュウマイがあるからこそ、飲食店はもちろん、家庭でもシュウマイが普及したと言っても過言ではありません。 冷凍シュウマイが日本で普及しはじめたのは、1950年代以降というのが定説です。この頃は、家庭に冷蔵冷凍機器が普及していない時代。当初は学校給食の加工品として取り入れられたのが始まりといわれています。 ちなみに、この時のシュウマイにグリンピースが乗っていたことが、後の「なぜシュウマイにグリンピースが乗っているのか?」論争の答えに繋がるのですが、それはまた別の機会に。 その後、家庭での冷凍冷蔵機器の普及に伴い、一般家庭にも広がっていきました。 初期の家庭用冷凍シュウマイは、重さ15g前後の小ぶりで、肉感はそれほど強くないものが主流。また、冷凍食品自体が学校や職場に持っていくお弁当のおかずとして重宝された経緯もあり、主菜ではなく副菜としてのイメージが強くなったようです。 そのイメージを一新したのが、今日の冷凍シュウマイ業界のシンボルとなっている、主役系おかずシュウマイの雄である『ザ★®シュウマイ』(味の素冷凍食品)です。 おそらく多くの方が、あの有名俳優さんが、白飯とともに湯気が湧き出る熱々のシュウマイをかきこむテレビCMを見たことがあると思います。 そして、それまでの冷凍食品のパッケージとしてはありえない、ビビッドかつクールなパッケージ。何より、そのシュウマイ自体が、豚肉のがっちりとした食感、ジューシーな旨味、30gに迫る大ぶりサイズなど、これまでの脇役感を一掃する食べ応えと満足感を持っていました。