コントの最高到達点へ…近年まれにみる接戦だった「キングオブコント2024」
わずかな点差やネタの細部で優勝が決まった
例えば、ファーストステージで敗退が決まったシティホテル3号室のネタ「通販番組」は、序盤と中盤と終盤で見方が変わる鮮やかなネタで、東京03飯塚はファーストステージで2位となる97点をつけた。だが、山内は92点と辛めで、その理由として「全部が理由がありすぎて、意味のわからなさがちょっとあったら良かった」と説明している。 また、ファーストステージ9位のコットンに対してシソンヌじろうは「もったいないと思った。もう少し2人の掛け合いが見たかった」と指摘。より2人のキャラクターが見えるようなネタを求めていたのではないかと推測できる。 その点でラブレターズの2本はすべてを完璧に理解するのは難しい狂気性をはらみつつ、2人それぞれのキャラクターの強さもにじみ出るようなネタとなっていた。当然好みは分かれ、ファイナルステージでもラブレターズを最高点にしたのは5人中1人のみだったが、点数で上回り優勝を決めたのだった。 わずかな点差やネタの細部で優勝が決まった今大会。大会終了直後には、「審査員の好み」がトレンド入りした。そんなことは当たり前で、何を今さらという感想も持ってしまうのだが、それだけ全員が揃って評価したくなるような組がいなかった影響もあるのかもしれない。来年以降、コントの潮流がどのように変化していくか注目していきたい。
まっつ