息子が将来「歯科医師」か「薬剤師」になりたいといっています。安定した収入を得るならどちらの方がおすすめですか?
安定した収入を得るために国家資格を取得しようと考える人は多いでしょう。歯科医師と薬剤師は、どちらも国家資格が必要な職業です。本記事では、歯科医師と薬剤師の収入を比較するとともにそれぞれの仕事内容や資格取得方法を紹介します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
歯科医師と薬剤師の収入を比較
令和5年賃金構造基本統計調査によると、歯科医師と薬剤師の月の給与額はそれぞれ表1の通りです。 表1
※厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」を基に筆者作成 上記の結果から、男性の差額は約30万円、女性の差額は約15万円と分かりました。平均給与では薬剤師よりも歯科医師の方が稼げるといえるでしょう。
歯科医師について
ここでは、歯科医師の仕事内容や歯科医師になるまでの流れを紹介します。薬剤師よりも給与の高い職種ですが、長く続けるためには仕事内容が自分に合っているか、やりがいを感じられるかなども大切です。 ■歯科医師の仕事内容 厚生労働省「jobtag」によると、歯科医師の業務は、虫歯や歯のまわりの病気を治療するとともに予防指導にあたる、とされています。虫歯の治療ではエアタービンと呼ばれる高速で回転する器具を使用して、歯の悪い部分を削り、レジンや金属を詰めるなどの処置を行います。歯の状態によっては歯を抜き、義歯やインプラントを入れる処置を施す場合もあるようです。 ■歯科医師になるためには? 歯科医師になるためには大学で6年間歯学を学ぶ必要があるようです。歯科医師国家試験に合格し、1年以上の臨床経験を積むと歯科医師になれます。就職後は病院や歯科医院で勤務医として経験を積み、開業する歯科医師もいるでしょう。 歯科医師は治療や予防指導で患者と良好な関係を築くために、高いコミュニケーション能力が必要です。また注意力や判断力、冷静さなども必要であり、口腔内を治療するにあたって手先の器用さも求められるでしょう。
薬剤師について
ここでは、薬剤師の仕事内容や薬剤師になるまでの流れなどを紹介します。歯科医師と比較すると平均給与は低い傾向にありますが、やりがいがあり、医療の一端を担う重要な仕事です。仕事内容を把握し、歯科医師と薬剤師どちらの働き方が自分に合っているかの判断材料にしましょう。 ■薬剤師の仕事内容 厚生労働省「jobtag」によると、薬剤師の仕事は、病院や薬局などで薬の調合や服薬指導、管理などを行うこととされています。メインとなる仕事は「調剤」で、医師が出した処方内容を確認し、正確に調合する必要があります。 調合を行った後は薬の副作用や薬との相互作用、服薬時の注意点などを患者に伝えます。問題なく服用できるかどうかを確認するために、患者の体質やアレルギー歴などをチェックし、一人ひとりに合わせた指導を行わなければならないでしょう。 ■薬剤師になるためには? 薬剤師になるためには、6年制の薬学課程を卒業し、薬剤師国家試験に合格する必要があります。合格後に申請すると厚生労働省の薬剤師名簿に登録され、厚生労働大臣より薬剤師免許が与えられます。
男性では歯科医師の方が月約30万円収入が高い
調査の結果から、男性では薬剤師より歯科医師の方が約30万円収入が高いと分かりました。そのため、収入面だけでみると歯科医師の方が将来的に安定するといえるでしょう。しかし、仕事内容は大きく異なるため、長く継続するためには自分に合った働き方を見つけることが大切です。 出典 政府統計の総合窓口e-Stat 厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 厚生労働省 jobtag 職業情報提供サイト(日本版O-NET) 歯科医師 薬剤師 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部