ご神木が「青龍」に チェーンソーで彫刻、和歌山・みなべの須賀神社
和歌山県みなべ町西本庄の須賀神社で12日、チェーンソーアートの元世界チャンピオン、城所ケイジさん(57)=田辺市龍神村=が制作していた龍の彫刻が完成し、お披露目された。境内にあった樹齢300年ほどというスギの大木を彫ったもので「須賀青龍」と命名。前芝弘知宮司(48)は「ご神木が生まれ変わった社宝。末永く神社や地域を見守ってほしい」と話していた。 【うめぇ梅料理で対決 和歌山・みなべ「グルメ甲子園」出場チーム募るの記事はこちら】 彫刻は、最も太い部分で直径1メートルほどあったという丸太を使って制作。横幅約3メートル、高さ1メートル余りで、全長8メートルほどの龍がうねった姿を表現している。 神社によると、これまでなかった参拝者用の駐車場(約千平方メートル)を整備するため、一の鳥居の横にあったスギやヒノキの林を伐採。総代長を務める岩本照男さん(74)=同町西本庄=の提案で最も大きなスギの木を彫刻にして奉納することになり、依頼を受けた城所さんが7月1日から1カ月ほどかけて制作した。 須賀神社は12日、駐車場の竣工(しゅんこう)式と龍の彫刻の除幕式を営んだ。関係者約40人が参列する中、前芝宮司が神事を執り行い、皆で完成を祝い合った。 前芝宮司によると、須賀神社にゆかりの深い京都市の八坂神社にすむとされる青龍にちなみ「須賀青龍」と命名。須賀神社の東方を守護し、そばを流れる南部川の治水を願って駐車場の一画に安置した。伐採した木を有効活用して建屋も設けた。 城所さんは「真ん中の辺りに龍の頭を持ってきた今までにないデザインで、須賀神社の本殿に描かれている龍からヒントを得た。皆さんの思いを込めて彫らせていただいた」と話した。 岩本総代長は「制作が始まったときから毎日のように見てきたが、今日は一段と輝かしい。龍はお宮に欠かせないもので水をつかさどる神様でもある。地域を水害から守り、多くの方から愛される存在になってほしい」と喜んでいた。
紀伊民報