福知山線脱線事故を教訓にJR西が訓練 避難誘導や救助の手順を確認
乗客ら107人が死亡した平成17年のJR福知山線脱線事故の教訓を踏まえ、JR西日本は15日、奈良市のJR平城山駅近くの車両所で列車事故を想定した訓練を行った。奈良市や奈良署、県総合医療センターなども参加し、計約230人が乗客の避難誘導や救助の手順を確認した。 冒頭に同事故の犠牲者らに黙禱がささげられた後、平城山駅-奈良駅間を走行中の列車が踏切に進入した乗用車と衝突、脱線して多くの乗客が負傷したとの想定で訓練がスタートした。 運転士は無線で事故発生を連絡し、発煙筒をたいて周囲の列車に停止を知らせる措置をとった。また、車掌はけが人を確認して救助を要請した。 駆けつけた消防隊員やJRの社員が避難誘導を行い、けが人を担架にのせて搬送。病院から派遣された医師や看護師らが、けがの程度から治療の優先順位を判断する「トリアージ」を実施し、テントで応急処置を行った。 JR西日本近畿統括本部安全推進部の懸田剛一課長は「事故時は消防、警察、医療がそれぞれベストを尽くそうとするだけに、スムーズな連携が重要になる。的確な対応ができるよう、訓練を続けたい」と話していた。