【全文】マンション傾き問題(4) 原因が組織的か属人的かは「調査中」
横浜市の大型マンションの一部が傾いていた問題で、くい打ちを行った旭化成建材の親会社である旭化成が20日午後、都内で記者会見し、浅野敏雄社長が「居住者の皆様には大変ご迷惑をおかけし、関係先各位の信頼を損なうことになった。深く深く反省し、お詫び申し上げる」と謝罪した。 【全文】マンション傾き問題(5完) くい未達の現場は急峻な支持層だった その後、質疑応答が行なわれ、くいが不具合になった要因や、データ転用が行なわれた理由、今後会社としてどう対応していくのか、などについて質問が出た。 以下は質疑応答の全文。
会社としてデータ転用と傾きをいつ把握したのか?
読売新聞:読売新聞社のマツダと申します。浅野社長にお伺いしたいんですが、9月24日に施工会社からデータ転用の指摘があったとあります。社長がこれをお知りになったのはいつでしょうか。 併せて、昨年の秋にマンションが傾いたということが地元住民からは指摘があったということですけども、そもそもその施工に携わったマンションが傾いたということを把握されたのはいつでしょうか、2点、教えてください。 浅野:お答えいたします。私がデータ転用、あるいは傾いているということを把握したのは9月の28日であります。 読売新聞:マンションの傾きを把握したのはいつですか。 浅野:傾きを把握したのも、同日の9月28日であります。 読売新聞:それまで報告は一切なかったということでよろしいでしょうか。 浅野:はい、結構です。 司会:はい。では、その後ろの方。 日本経済新聞:日経新聞のフジノと申します。お願いします。今回の件の、ボーリング調査の数って何カ所あるのか。それってほかの物件と比べて多かったのか少なかったのでしょうか。それから、これから3,000件、調査をするわけですけども、もし同様にデータ改ざんが見つかった場合の調査費とか改修の補修費用っていうのは今回と同じく御社で負担するものなのでしょうか。 前嶋:ボーリングの数のほうご説明させていただきます。正確には覚えてないんですけれども、こちらの現場は土丹層という支持層が傾斜をしている恐れがあるということで追加をされて、通常の現場よりも数多くボーリング調査をされていたということが、われわれの報告書のほうで確認できております。 すいません、そちらのボーリングのほうは、設計・施工の三井住友建設さまのほうで実施されたボーリング調査の結果です。 平居:いわゆる約3,000棟の調査のところに関してなんですが、まずはデータ転用の有無をしっかり確認します。で有無を確認した上で、安全性の確認をさしていただくということになります。そのときに、現実に現地を、今回の物件のように、ほかの方法で支持層にどう届いているかとか、杭の現状はどうなのかっていうことを、詳細に調査をする必要が出てくるのは何件ぐらい出てくるのか。そういったことについてはまだまだ分かりませんので、それらの費用については今、申し訳ないですけど、申し上げられる段階にありません。以上です。 司会:では、一番後ろの方。 朝日新聞:すいません、朝日新聞のミネトシと申します。3,000棟について、傾いているものはないっていうことなんですが、22日に都道府県の所在地と内容を発表するわけで、公表したことによって全国に大きな不安が広がると思うんです。その不安に対して、御社はどのように答えようとしているんでしょうか。 平居:そこは本当に今、ものすごい広がっていて、非常に申し訳ないと思ってるんですが、公表し、できるだけ早く、どういう状態にあるのかをご報告することを通じて、全ての物件が不安な状態になっているとはとても思えませんから、これらの物件は大丈夫ですということも含めて、できるだけ早い対応、できるだけ正確な情報をお渡しすること。それを通じて、ご安心いただきたいと思っているところです。 朝日新聞:例えば東京とか、 平居:個別の案件について、例えば当然、資産価値の問題うんぬんとかが発生してきますので、個別の物件についてはそのマンションがこうだったっていうことを公表するつもりは今のところありません。 朝日新聞:例えば東京都の100棟とか出た場合、より具体的な不安として住人は感じるわけですよね。これまでは3,000棟、全国で3,000棟なのか、より具体的な不安として感じるわけで、そういう不安に対してどう解消しようとしてるんでしょうか。 平居:それはもう、今申し上げたとおりのことしかなくてですね。先ほど申し上げましたように、今までのものは大丈夫ですから、と言ったところで、なんの解消にもなりませんから、きちっと状態を調べて、調べた結果をできるだけ早くお伝えしていくということを繰り返していくことかなというふうに今、思っております。 朝日新聞:ありがとうございます。