クリスマスが2回ある国 サンタならぬ「シンタクラース」とは
サンタがプレゼントを届けてくれるクリスマス。子どもたちが待ちわびるその日が2回あったとしたら……? そんな夢のようなことが、ヨーロッパの一部地域ではあるそうです。何を起源とした、どんな日なのでしょうか。
クリスマスと言えば12月25日です。では12月6日は? 日本ではあまり知られていませんが、キリスト教の司教、聖ニコラウス(表記は国・言語によって異なります)の命日とされ、ヨーロッパの多くの国では「聖ニコラウスの日」として祝われております。 例えばベルギー、オランダ、ルクセンブルクでは聖ニコラウスを模した「シンタクラース」が前夜(イブ)の12月5日に訪れ、子どもたちにプレゼントを配るのが毎年恒例の行事となっています。
長い白ひげに赤いマントを羽織った高齢男性。サンタクロースによく似た風貌(ふうぼう)ですが、これがシンタクラースです。違いは、「帽子に十字架が描かれていることと、サンタのように太っていないこと」(在日ベルギー大使館)だそうです。 サンタクロースの原形ではないか、という説もあるようです。 同大使館によると、地方によって少しずつ異なるものの、11月中旬ごろから街中ではパレードや催しが行われるようです。「多くの家庭では聖ニコラウスの日と、クリスマスを両方祝う」ことから、子どもたちからすればプレゼントをもらう機会が二回あることになります。 前夜にあたる12月5日ごろには、スペキュロース(ジンジャーブレッド)と呼ばれるクッキーを食べるのが風習だそうです。 ベルギー北部のフランドル地方出身で、留学を機に来日し、東京都に暮らす保育園職員の女性(27)は、シンタクラースについて「サンタさんのようにプレゼントを置いてくれる不思議な優しいおじさんだった」と語ります。 また、「クリスマスは家族内でプレゼントを交換していたのに対して、シンタクラースからプレゼントをもらうのは子どもだけでした。おもちゃ・ミカン・チョコレート、スペキュロースなどをもらいました」と話しました。