吉田類 下町の味にハマったきっかけ「煮込みも食べたことがなかったから“これ、食べられるの?”って」
◆下町文化の興味から酒場にハマる
玉川:最初、「酒場放浪記」のオファーはどんな感じで来たんですか? 吉田:酒場を含めていろいろと下町文化の本を書いていましたからね。「こういうのをテレビでやってみたらどうか」というところから始まりました。 玉川:最初は戸惑いってなかったんですか? 吉田:なかったです。よくあることなのかなと思っていました(笑)。特別なこととは思わなかったですね。 玉川:オープニングも駅から出てきて1人で喋りますよね。それから、酒場に行くまでにいろいろなところ、神社に行ったりとかしますけども、ああいうところも1人で喋るんですか? 吉田:初期は、立ち寄りの撮影はアポなしでやっていました。今はそんな無茶苦茶なことができないので、ちゃんとディレクターが(アポを取って)やっています。 原:初期の頃は吉田さんの直感でお店に入られていたんですか? 吉田:訪ねる居酒屋のお店は全部アポを取っていましたけども、それ以外は全部そのときの街の雰囲気を見て(判断した)。それと、初めの頃は東京の下町エリアの紹介が多かったんです。下町エリアの話を書こうと思って下町に移っていたので、自分にとっては庭みたいな場所でした。 玉川:いろいろなところにお住まいだったそうですね。僕が知っているだけでも国立、木場、新富町あたりも住まれていますよね。 吉田:下町に住むのを目的に、江東区には14年ぐらい住んでいたんですよ。僕は西の生まれだから、東京の下町文化がすごく新鮮に映ったんですよね。煮込みも食べたことがなかったから「これ、食べられるの?」ってところから入っていったら、えらいおいしいわけですよ。それでハマっちゃいましたね。
◆情報を仕入れずフラットな気持ちで入店
玉川:まだまだ聞きたいことがあります。なぜ吉田さんは、からしとかわさびを大量につけるんですか? 吉田:(からしやわさびには)辛くないやつもなかにはあるんですよ。それで辛味のおいしさを知ってしまったので。おいしさのことしか頭にないんですよ(笑)。でもこれは(辛さ)大丈夫だろうって思ったら、とんでもなく辛いやつがあったりもします。あまり学習しないんですよね(笑)。 あと、お店の情報を全部把握した状態でお店に行っても面白くないんですよね。頭のなかを一度真っ白にして入るようにしていますから、常に忘れているんですよね。 玉川:あと衝撃的だったのは、吉田さんが「このイカおいしいですね」と食べていたら、お店の人から「こんにゃくです」と言われたことがあったんですよね(笑)。 吉田:そういうこともありますよ(笑)。 原:食感は似ていますからね(笑)。 吉田:ただ、お酒の味だけは確実にわかります(笑)。お料理はお店によって全部違いますし、作り方も違います。地方に行けば同じものが違う呼び名だったりもするので、いつも出たとこ勝負ですね。ゆるくやっております(笑)。 (TOKYO FM「ラジオのタマカワ」2024年7月18日(木)放送より)