「波がある選手になりたくない」久保建英23歳の誓い 欧州CL初出場の一年から「もう一歩先に」
サッカー日本代表は10日、広島市内で2026年北中米W杯2次予選最終戦となるシリア戦(11日)に向けた最終調整を行った。MF久保建英(23)=Rソシエダード=は、シャドー(2列目)の位置での先発が有力。6月4日の誕生日明けに出場した一戦では2年連続得点を決めており、23歳初陣でもゴールを狙う。日本はB組1位で既に最終予選進出を決めている。 * * * 久保の第一声は、全快宣言だった。「大丈夫です、大丈夫です。試合に出られる準備はもうできています」。6日のミャンマー戦(5〇0)は負傷の影響でベンチ外となったが、9日から全体練習に合流。「1試合スキップして、いい休養ができました」。4日に23歳になったばかりのレフティーは、攻撃的新布陣「3―6―1」のシャドーでの先発が有力だ。 誕生日明けの初陣は、2年連続でゴールを決めている。21歳を自ら祝う“祝砲”は22年6月10日のガーナ戦(4〇1)で、22歳の“祝砲”は23年6月15日エルサルバドル戦(6〇0)で飛び出した。「ポジティブに捉えたい。(今年も)ゴールを狙っていけたら」と3年連続の初陣弾を見据えた。 22歳の1年間を「つかみきれなかったじゃないけど、もう一歩先に行きたかった」と総括した。Rソシエダードでは30試合7得点。欧州CLにも初出場し、代表でも自己最多の3ゴールを挙げた。それでも小さな負傷が続いたこともあり「本来のプレーがコンスタントに出せなかった」と悔いた。 「もう一歩」を埋めるための23歳の“誓い”は「自分のパフォーマンスが出せない回数を減らしたい。波がある選手になりたくない」。23歳の久保建英が求めるのは「安定」だ。若さを前面に出した爆発力でもなく、勢いでもなく、高水準での安定を求める。 21歳初ゴールは、A代表17戦目で生まれた待望の初得点。22歳初ゴールは、第2次森保ジャパンでの主力の座に大きく近づく得点だった。23歳初ゴールは、どんな意味を持つのか。新布陣導入でポジション争いも激しくなるが「今は、あまりサッカーをやっている上での悩みがない」と涼しい表情で語る。もう誰も「久保くん」とは呼ばない。うっすらと伸ばすあごひげも、だんだん板についてきた。代表で揺るぎない地位を築くため、すっかり大人になった久保が、23歳としての一歩を踏み出す。(岡島 智哉) ◆久保の代表でのポジション 「4―2―3―1」採用時はトップ下と右MFを兼務。トップ下では南野や鎌田、右MFでは今回招集外の伊東純也(Sランス)や、堂安らと争ってきた。「4―3―3」では右FWに加え、攻撃的なインサイドハーフでも出場した。シリア戦で出場が見込まれるシャドーの位置は、ミャンマー戦(6日)では堂安と鎌田が先発。後半からは鈴木と中村が起用された。
報知新聞社