テレビ朝日　本社外観

１９８７年４月からテレビ朝日系で放送されてきた討論番組「朝まで生テレビ！」の地上波での放送が、９月いっぱいで終了するとテレビ朝日が４日発表した。番組からはスター論客が生まれ、論壇を活性化、テレビジャーナリズムに新風を吹き込んだ。 【写真】「朝まで生テレビ！」で司会を務めた田原総一朗さん 深夜に突然、「バカヤロー！」と激高することで視聴者の目を覚ました映画監督の大島渚さん（２０１３年、８０歳で死去）。 「焼跡闇市派」と自称した作家の野坂昭如さん（１５年、８５歳で死去）。 新進気鋭の国際政治学者として登場し、のちに東京都知事も務めた舛添要一さん（７５）。 「パンツをはいたサル」の経済人類学者、栗本慎一郎さん（８２）。 早大の学生時代から出演し、その後、政界デビューした辻元清美さん（６４）。 政治学者の姜尚中（かん・さんじゅん）さん（７３）も「朝生出身文化人」の一人だ。 保守派の論客として知られた西部邁さん（１８年、７８歳で死去）は司会の田原総一朗さん（９０）から、１９６０年の安保闘争で死亡した東大生、樺美智子さん＝当時（２２）＝について「樺さんは西部さんの恋人だったそうです」と冷やかされた。西部さんは生放送中にもかかわらず激怒してその場を退席、スタジオは騒然となった。 ９１年には、オウム真理教の元教祖、麻原彰晃（本名・松本智津夫）元死刑囚＝執行時（６３）＝が、故村井秀夫元幹部＝当時（３６）、元幹部の上祐史浩氏（６１）とともにパネリストとして出演した。 一方で、田原さんは数々の「舌禍」でも物議を醸した。０９年には北朝鮮による拉致被害者らについて「外務省も生きていないことは分かっている」と発言。被害者の両親に訴えられ、敗訴した。１９年には「ベネッセが自民党の衆院議員に２千数百万円の献金をしている」という趣旨の発言をし、テレビ朝日が訂正、謝罪した。 番組は１０月以降、ＢＳ朝日で放送されるという。