パラ五輪2大会連続出場を目指す陸上・十川裕次選手 フィジカル強化でタイム3秒短縮
今年の夏、フランス・パリで開かれるパラ五輪への出場を目指している陸上の十川裕次選手(27)。2021年の東京パラリンピックでは1500メートルで9位に入る健闘を見せました。2大会連続のパラ五輪出場に向けてトレーニングに励む十川選手の姿を追いました。 【写真を見る】パラ五輪2大会連続出場を目指す陸上・十川裕次選手 フィジカル強化でタイム3秒短縮 ■東京パラからタイムを3秒短縮 大分市の運動施設で練習に汗を流す十川裕次選手(27)。知的障害がある十川選手は陸上1500メートルを主戦場とするアスリートです。 (十川裕次選手)「日頃のジョグのときはしっかりフォームを意識して練習に取り組んでいます」 3歳のときに知的障害を伴う自閉症アスペルガー症候群と診断された十川選手。通常学級で学校生活をおくり、健脚に自信のあった十川選手は駅伝の強豪校、大分東明高校に進学、本格的に陸上を始めました。2年生の時には全国高校駅伝でエースが集まる花の1区を任されました。 高校卒業後はパラ陸上の道を歩み、2021年の東京パラリンピックでは日本代表として初出場。1500メートルで9位(4分3秒62)に入りました。 (十川裕次選手)「東京パラは今までの大会とは違う感じがあって、ちょっと緊張していいパフォーマンスが出せなかった記憶がある。技術とフィジカル的な部分が強くなったので、東京パラから1500メートルのタイムを3秒縮めることができた。成長していると思っています」 ■パラ五輪出場と世界記録の更新目指して アスリートとして挑戦を続ける一方、社会人としても新たな一歩を踏み出しました。別府市にある太陽の家での就労移行訓練を経て、十川選手は今年1月、オムロン太陽に入社。備品の清掃・整理のほか、小学校の出前授業のサポートなども行います。業務範囲は少しずつ増え、いずれは会社のSNSの運用も担当する予定です。 (十川裕次選手)「初めてする作業が多くて全然できないんですけど、教えてくれる人もいるから少しづつ覚えていきたい」 (オムロン太陽・辻潤一郎社長)「ハキハキとして自分の意見もしっかり述べられるし、やっぱりスポーツマンという第一印象。会社からパラリンピックに出場するということはそんなにないことですから、ぜひがんばってほしい」