2人の“ラブ”が大進展…「月が綺麗ですね」のオシャレすぎる返しとは? 『嘘解きレトリック』第3話考察レビュー
2人の“ラブ”にも大きな進展が
第3話は、“ラブ”の部分でも大きな進展があった回だった。SNS上でも大きな話題を集めていたが、とにかく左右馬が恋すぎる。まず、小さなキュンポイントから挙げるとするなら、鹿乃子が座るときに着物が汚れないようにすかさずハンカチを敷いてくれるところ。まわりのことなんて、気にしていないように見えて、実は細かな気配りができるのが、左右馬の魅力のひとつだ。 さらに、鹿乃子の不安と向き合ってくれるところも本当に優しい。「僕の嘘を聞いてしまうことを僕が嫌がってるんじゃないかって(思ってる?)」と聞き、鹿乃子の本音を引き出してあげる。 そして、「僕は君を受け入れるってこと、ちゃんと話そうと思って。気になってたでしょ? ずっと」とまっすぐに想いを伝える。なんだ、このできる男は…! それだけではなく、「一緒にいると、嘘を聞く方も聞かれる方も、便利なことやしんどいこともたくさん出てくるだろうけど。1人でグルグル悩まないでよ。君はもうひとりじゃないんだから。一緒にいるから悩むんだからさ。一緒に抱えるよ?」と言ってあげるなんて、どれだけ優しいのだろう。 鹿乃子のしんどさを、理解してあげようとするのではなく、一緒に背負おうとする。他人事として捉えるのではなく、自分ごととして捉えてあげるところが、本当に素敵だと思う。
鹿乃子の「月が綺麗ですね」に対する 「月見そば食べて帰ろっか」
小説家の夏目漱石は、「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳した。鹿乃子が、「月が綺麗ですね」と言ったとき、左右馬はその言葉の奥にある意味に気づいていたのではないだろうか。鹿乃子の言い方から察するに、彼女は深い意味を込めて言ったわけではなさそうだが、左右馬は、「I love you」に想いを馳せていたように見えた。 それに対して、「月見そば食べて帰ろっか」と言うのも、なんだか左右馬らしくてキュンとする。「Yes」なのか「No」なのか、どっちになるのか分からないギリギリのラインのフランクな返し、オシャレすぎやしないだろうか。 少なくとも、嫌いな相手と一緒に月見そばを食べようとはしない。左右馬に恋愛感情があるにしろ、ないにしろ、2人の距離がグッと縮まっているのは間違いないだろう。「月が綺麗ですね」と言われたときの微笑みから察するに、左右馬にも恋愛感情が芽生えているのだろうか。 次週放送の第4話では、「人形殺人事件」が描かれる。事件の真相とともに、左右馬&鹿乃子の進展についても注目していきたいと思う。 【著者プロフィール:菜本かな】 メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。
菜本かな