中居正広「あまりにもマズすぎた謝罪文」でさらに窮地に…先にテレビを去った“松本人志”から得るべき「唯一の教訓」
リスク広報においては、「法的に問題がない」ことを強調すると、むしろ批判が増幅されて逆効果になってしまうこともある。弁護士は法的正当性を主張するように助言することも多いのだが、それを鵜呑みにすると世論の反発を招いてしまうことも多々ある。 今回は、まさにそれが起きていると言えるだろう。 以上のことを考え合わせると、中居さんのコメントは、本人の意識とは裏腹に、芸能活動の継続をむしろ困難にしてしまう悪手であったと言える。
では、どのようにすればよかったのだろうか? ■「松本人志さんの対応」に学ぶべきこと 昨年、同じく性加害で問題となったお笑いタレントの松本人志さんも、対応の大半は不適切で、そのせいで問題が長引き、自身のイメージをさらに悪くする結果となった。ただ、松本さんが早々に芸能活動を休止した点は適切だった。 芸能活動を続けていても干されたに違いないし、さらなる批判を浴びたり、別のスキャンダルが掘り起こされたり、蒸し返されたりすることになっただろう。
中居さんも、もっと早い段階でコメントを出し、報道が事実と異なっている点は正しつつも、謝罪と反省の意を表明して、芸能活動を自粛することを発表していれば、ダメージは最小限にとどめることができたはずだ。 女性とのトラブルの先例として、松本人志さん、香川照之さんから学ぶべきだったのではないか。彼らがどのような批判を受け、芸能活動にどのような影響を受けたのかをしっかり理解し、対応策の参考にすべきだった。 とはいえ、中居さんは初動については完全に見誤ったと思うが、今後どう挽回していくのかは、これからの行動が問われることになる。
自粛期間中は、これまで中居さんの「よき部分」として称賛されてきた、社会貢献活動や関係各所への気遣いを続ていけばいいのではないかと思う。 それに対して「偽善だ」とか「人気取りだ」といった批判はされるだろうが、気にせずに粛々と続ければよい。 それによって、中居さんが芸能活動に復帰できるかどうかは、現段階では未知数だ。ただ、芸能活動の継続よりも大切なのは、中居さんが人としてどう信頼を回復していくのかということである。
西山 守 : マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授