【103万円の壁】引き上げで実は会社員などにもメリット...国民民主党案では年収が低い人の方が“減税の割合”が高い!? 政府試算『税収約7兆6000億円減少』をどう見る?
過半数割れの与党…国民民主党の言い分を本当に飲むのか
はたして「103万円の壁」は壊れるのでしょうか。玉木代表は「(引き上げを)全くやらないということであれば、当然われわれは協力できませんから。そのときは(与党は)過半数に届いていないわけですから、予算も通らない、法律も通らないということ」と発言し、非常に強気の姿勢を見せています。 11月11日には特別国会が召集される見込みで、総理指名選挙が行われる予定です。国民民主党は、そこで玉木代表の名前を書こうと一致団結しています。さらにそれ以降は、臨時国会で補正予算の審議、来年1月には通常国会で来年度予算が審議される予定で、法案を通すためにも、与党としては国民民主党の協力が必要不可欠になってきます。
ただ、国民民主党は野党です。与党の出した案に野党が賛成することはあるのでしょうか。実は、2022年、「トリガー条項」凍結解除を目指す国民民主党は、野党でありながら予算案に賛成。しかし、トリガー条項の凍結解除は先送りされました。このトリガー条項とは、ガソリン価格が高騰したときにストップさせる特例税率の仕組みで、民主党政権下で導入されたものの、今まで一度も発動されたことはありません。東日本大震災の復興財源確保のため凍結されていますが、ガソリン価格が高騰してきたら、凍結を解除しようと国民民主党は呼びかけています。 「103万円の壁」の引き上げを訴える国民民主党の政策に自民党が協力するとなった場合、本当に自民党はそれを実現させるのでしょうか。武田一顕さんは「自民党は国民民主党の言い分をある程度飲むしかない状況だが…」と前置きしつつ、「問題は、時期と額」だと指摘。 さらに「『103万円の壁』を178万円に引き上げたいと玉木代表は主張していますが、自民党としてはできるだけ『額』を下げたい。自民党はたぶん初めのうちは、110万円とか115万円ぐらいで納得して、その後にまた協議しましょうなどと言いながら、玉木代表を少しずつ取り込み、国民民主党を“溶かしていく”方向にもっていきたいのでは」と話します。「税収が約7兆6000億円減る」という政府の試算についても疑いの目を持つ必要があるのかもしれません。 (2024年11月1日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)