楽天電撃退団の田中将大、「互いに大きなシコリはない」元監督分析...「これはビジネスの世界」
プロ野球楽天の初代監督で野球解説者の田尾安志氏(70)が2024年11月24日までにユーチューブを更新し、今シーズン限りで楽天を退団する意向を示した田中将大投手(36)に関して、私見を述べた。 【動画】電撃退団を発表する田中 ■「来シーズンも楽天でプレーをするのだろうと...」 田中は24日にユーチューブを更新し、来シーズン楽天と契約を結ばないことを発表した。 動画の中で田中は「来季はどこでプレーするのかまだ何も分からない状態だが、今はいいコンディションで、いいトレーニングを積むことができている」などと語り、現役続行の意思を見せた。 05年シーズンに楽天を率いた田尾氏は、田中の「退団」報告に「驚きました」と率直に述べ、こう続けた。 「来シーズンも楽天でプレーをするのだろうと。200勝まであと3つ。197勝まできていますので、お世話になった楽天球団で200勝を達成して、みんなで祝おう。そんな感じでいるのかなと思っていたが、退団ということになりました」 田中は楽天で11年間プレーし通算119勝を挙げた。大リーグのニューヨーク・ヤンキース時代の78勝と合わせて現在、日米通算197勝を記録している。 田中が200勝まであと3勝としながら、楽天を離れる決意をしたことに関して、田尾氏は「これは完全に僕の推測になります」と前置きした上で、次のように持論を展開した。
「お金はいくらでもよかったと思います」
「お金はいくらでもよかったと思います。田中将大という、いち選手を楽天球団はどう見ているのか。そういうところがポイントだったと思います。田中選手からすると、楽天球団が選手として、そんなに高い評価をしてくれていないという風に感じたのかもしれません。僕からみたら、去年の10月に肘の手術をした。今年はリハビリの年とみてあげてもいいのかなと。そして『来年頑張ってもらおう』というくらいの気持ちでもよかったのかもしれない」 そして、こう続けた。 「できたら育ててもらった球団で最後まで終わる。そこで優勝を目指す。そういう形が1番きれいですし、本人も望んでいたことではないかと思いますが、自分に対する期待値が自分の思っている以上に大きくはなかった。そういうことではないかと思います」 田尾氏は現役時代、中日、西武、阪神の3球団でプレーし、指導者としては楽天の監督を1年間務めた。 プロの世界に精通する田尾氏は、今回の件にかんして「お互いにそれほど大きなシコリはないと思う」とした。 そのうえで、「これはビジネスの世界ということもあるので、そういう点では、田中将大投手が楽天のユニフォームを脱ぐのは個人的には寂しい気がするが、来季復活するという方がより大きなポイントになる。それを期待して、今回の電撃退団をとらえていきたい」と前向きにとらえた。 今シーズン田中は、23年10月に受けた「右肘関節鏡視下クリーニング術」の影響で出遅れ、2軍生活を余儀なくされた。1軍での登板は9月28日のオリックス戦1試合のみで、5回を投げ6安打4失点だった。