新幹線延伸や新型車のデビュー、そして消えた車両や社名も 鉄道業界の2024年を振り返る
大阪の私鉄路線が開業年以来54年ぶりに延伸
2024年に開業したもう一つの区間が、3月23日に延伸された北大阪急行南北線の千里中央~箕面萱野間です。北大阪急行線は、大阪メトロ(開業時は大阪市営地下鉄)御堂筋線の線路を北へ伸ばすような形で、1970年に江坂~千里中央間が開業していましたが、54年ぶりに線路が北へと伸びました。 延伸開業した区間は約2.5キロで、終点の箕面萱野駅のほか、途中駅の箕面船場阪大前駅の2駅が、新駅として開業しました。箕面船場阪大前駅は地下駅で、箕面萱野駅は行き止まり式の高架駅。箕面萱野駅はショッピングセンター「みのおキューズモール」と直結しているほか、同駅横にはバスターミナルが整備され、周辺の公共交通網の利便性向上に寄与しています。 北大阪急行線の延伸工事は、2016年度に開始。当初は2020年度の開業を予定していましたが、用地交渉の難航や工事工程の見直しなどにより、約3年延期されていました。
歴史ある社名が消滅 3社が社名変更した2024年
2024年には、3つの鉄道事業者が社名を変更しました。 4月1日には、箱根登山鉄道が、小田急箱根ホールディングスや箱根観光船などを吸収合併し、あわせて社名を「小田急箱根」に変更しました。小田急グループにおける箱根周辺事業の組織再編が理由で、1928年に誕生した箱根登山鉄道という社名は消滅しました。なお、箱根登山電車や箱根登山ケーブルカーといった愛称は、社名変更以降も引き続き使用されています。 10月1日には、東海交通事業が「JR東海交通事業」に社名を変更しました。同社は、勝川~枇杷島間の城北線を運行するほか、JR東海から駅業務などを受託している会社。JRグループの一員であることを示すため、社名変更に至ったとしています。 このほか、六甲山のケーブルカー「六甲ケーブル」を運行していた六甲山観光も、4月1日に社名を「神戸六甲鉄道」に変更しました。なお、六甲ケーブルでは、同日に「上下分離方式」を導入し、車両や施設は親会社である阪神電気鉄道の所有となっています。