「脳卒中の80%は予防可能」日本では年間10万人が発症し、寝たきり介護の原因にも…米協会が最新版ガイドラインを発表
アメリカでは毎年79万5千人以上が脳卒中を発症しており(※注1)、これは深刻な長期障害の大きな要因となっている。だが、脳卒中のリスク要因の多くは改善が可能であるため、「予防すること」が極めて重要になるという。 【写真】脳卒中を予防する8つの方法 (※注1:厚生労働省のサイトによると、日本では年間10万人が脳卒中を発症しており、日本人の死因の第4位で、寝たきりや介護が必要になる主な原因の一つです。) アメリカ脳卒中協会(ASA)は 、脳卒中の発症リスクを下げるために新たなガイドラインを発表し、脳卒中の80%は、予防が可能であることを明言した。 このガイドラインには、多くの人が脳卒中を引き起こす理由や、そのリスクを軽減するための具体策が詳述されている。そして今回、初めて心血管や脳卒中のリスクを減らす新たな手段として、GLP-1受容体作動薬(以下、GLP-1薬)の使用が選択肢に加わった。 脳卒中について今から知っておくべき内容とは? ※この記事は『Prevention』からの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。
脳卒中とは?
ASAによると、脳卒中とは、脳へとつながる動脈や脳内の動脈に影響を与える疾患であり、脳に酸素や栄養を運ぶ血管が血栓で詰まったり破れたりすることで発症する。その後、脳の一部は必要な血液と酸素を受け取れなくなり、脳細胞が死滅してしまうのだ。 脳卒中には主に2種類あり、血栓によって血流が遮断されることで起こる「虚血性脳卒中」と、血管が破裂して出血が起こる「出血性脳卒中」がある。ASAによれば、最も一般的なのは虚血性脳卒中のほう。
脳卒中を予防する方法
ASAは、脳卒中のリスク要因を理解し、可能な範囲でライフスタイルの改善に取り組むこと、必要に応じて薬を服用することの重要性を強調している。 新しいガイドラインには、医師が患者に脳卒中について教育し、過体重や肥満、高コレステロール値、高血圧、高血糖といったリスク因子への対策やスクリーニングについて話し合うことが重要だと明記されている。