【虎になれ】岡田阪神には運がある!? 「よくしのいだ」交流戦、勇気を持ってリーグ戦再開だ
<日本生命セ・パ交流戦:阪神2-1日本ハム>◇18日◇甲子園 およそ勝利監督の様子ではなかった。指揮官・岡田彰布は怒っていたのである。走塁ミスに怒っていた。詳しくは虎番記者の記事で読んでいただくとして、テレビを見ていた虎党なら、言われるまでもなく、分かっただろう。 普段は、少々の不満があっても生で見られるテレビの勝利監督インタビューなら、岡田はそれなりに話す。だがこの日はそこでも抑えが効かず、不満だらけの様子が出てしまった。村上頌樹にも勝たせたかったし、とにかく気に入らなかったのである。 「走塁ミスばっかりで4つよ。5つか」。そう言った中でもっとも目立ったのは5回か。1死満塁から代打・原口文仁が打ち上げた右邪飛で三走・森下翔太が生還できなかった場面だ。 「ボクが止めました。距離的に(近いので)ちょっと難しい。あそこまで(万波中正)の体勢がグルッとなるのは予想できなかった」。三塁コーチ・藤本敦士はそう説明したが「行かす勇気がないってことやろ」と岡田は容赦がなかった。 大事な試合に新人バッテリーを先発させるなど、敵将・新庄剛志の奔放な野球に翻弄(ほんろう)されたわけでもないだろうが後手に回った印象はあった。だからこそ岡田は怒っていたのだと思う。 とはいえ、だ。やはり阪神には、運があると思う。それだけ文句の出る試合を相手のミスで勝ってしまうのだ。負けていれば、余計にこたえたはず。そこで勝てるのが、やはり岡田の強運という気はする。 交流戦は18試合を終えて、7勝11敗の借金4。交流戦前が貯金6だったので、貯金2を持ってリーグ戦に戻れる。走塁ミスが目立った試合で負けていれば5割でリーグ戦再開となるところ。ハッキリ言って、これは大きいのだ。 もちろん、そこは岡田も分かっている。「まあ4つ言うてもね。去年も3つ負け越してたから、そんな変わらないんだけどね。なんか、ものすごい負けてるような感じになってるけど、まあ、よくしのいだと思いますよ」。 岡田の言う通り、日本一に輝いた昨季も交流戦は7勝10敗1分け。今年とよく似た結果だった。「しのいだ」という言葉は本音だろうし、この結果をどう生かすかは21日からのリーグ戦にかかっている。次の節目、球宴までの26試合。図らずも岡田が口にした「勇気」を持って戦ってほしい。(敬称略)