「Zenfone 11 Ultra」速攻レビュー カメラから新AI機能、パフォーマンスまでを徹底検証
冷却構造でSnapdragon 8 Gen 3の性能を最大限引き出す
プロセッサにはQualcomm製の最新ハイエンドSoC「Snapdragon 8 Gen 3」を搭載。さらに、ゲーミングスマホROG Phone 8譲りの冷却システムとしてベイパーチャンバーや窒化ホウ素などをほぼそのまま搭載。冷却周りの違いは、外部冷却ファンの装着を想定した急速冷却コンダクターがない点ぐらいだ。 メモリ容量とストレージ容量は購入時に選ぶ形で、12GB+256GBと16GB+512GBモデルが用意される。今回のテストは16GB+512GBモデルを用いている。 実際のベンチマークスコアは非常に高く、AnTuTuベンチマークではハイエンドスマホの壁となっている総合スコア20万を超える値をたたき出した。日本でもSnapdragon 8 Gen 3を搭載したスマホは出ているが20万以下のモデルが多い。同等のスコアを出せるのは兄弟機種のROG Phone 8など、ゲーミングスマホクラスの冷却性能を持ったモデルぐらいだろう。 結果、主にCPU性能を計測するGeekBench 6や3Dグラフィック性能を計測する3DMARKでも高いスコアを計測できた。Qualcommは前世代のSnapdragon 8 Gen 2と比べてSnapdragon 8 Gen 3のGPU性能が25%アップしたとしている。だが、Zenfone 11 Ultraは冷却性能が比較的高い分、一般的なSnapdragon 8 Gen 2搭載モデルから買い替えると25%以上の性能アップを体感できる場合がある。 最近の高画質ゲームアプリはスマホに求める性能が上がってきており、それもあってスマホの買い替えを考えている人も多いだろう。このスコアの高さと、それを支える冷却性能は、普段使いのスマホでゲームに強いモデルを探している人にとってかなり魅力的だ。
ゲーム支援機能「Game Genie」で高画質ゲームを普段から気軽に楽しめる
ゲームプレイを支援する「Game Genie」は、ゲームプレイ時に画面上部の左右の隅から内側にスワイプすると表示される。また、「設定」→「拡張機能」→「GAME Genie」からも、動作対象となるゲームアプリリストの管理や個別の動作モード設定が可能だ。筆者の試した限り、「設定」ウィジェットなどでショートカットをホーム画面に出すことはできなかった。 メニューからは、最高の性能を発揮する「高性能(ハイパフォーマンス)」や動作を状況によって変える「ダイナミック」などの動作モードを変えられる他、CPUやGPU利用率やフレームレートのリアルタイム情報表示、通知オフや充電モードの変更、画面録画など便利な機能を利用できる。ただし、ROG Phone 8シリーズに搭載された自動録画などの新機能は用意されていないようだ。 Zenfone 11 Ultraでゲームをプレイした場合の利用スタイルだが、筆者の場合は「高性能(ハイパフォーマンス)」設定で無理に性能を引き出すよりも、標準的な「ダイナミック」設定でSnapdragon 8 Gen 3の処理性能に余裕を持たせつつ長時間プレイできる環境を整えるのが合っているという印象だ。 具体的にタイトルを上げると、「原神」を「高/30fps」、そして「学園アイドルマスター」を「高/30fps」という標準設定でプレイすると、GPU利用率は50%前後にとどまり熱の発生を抑えつつ快適にプレイできた。もちろん最高画質や60fpsといった極端な設定でも「高性能(ハイパフォーマンス)」で問題なく動作する。だが、長時間動かすと熱を持つ上にバッテリーの持ちが気になってしまう。 Zenfone 11 Ultraを普段使いのスマホとして使う場合は、性能を完全に引き出すよりも余裕を持たせて利用した方がより良い満足度を得られる。もし性能を完全に引き出したまま動かしたい場合や、画面をHDMIで外部出力し続ける用途ならROG Phone 8を選んだ方がいいだろう。