「仕込み」の攻撃鮮やかに シード校破った報徳学園 高校ラグビー
◇全国高校ラグビー大会2回戦(30日・東大阪市花園ラグビー場) ◇○報徳学園(兵庫)28-12目黒学院(東京第1)● 【写真で振り返る】報徳学院-目黒学院(2回戦) 目黒学院の屈強なFW陣に仕事をさせなかった。留学生を中心にフィジカルで優位に立つ相手に対し、ノーシードの報徳学園は縦横無尽にグラウンドを駆け回る展開ラグビーを仕掛け、主導権を握った。 序盤から右に左に展開し、相手に的を絞らせなかった。見せ場は21-0の前半27分。相手陣内でのラックから右に展開し、FBタウファテビタ悦幸はパスを受けると、すかさずボールを右へ。タウファの背後を回ってパスをもらったWTB村田一真が、虚を突かれた相手の防御ラインを突破した。 そのまま約30メートルを走り抜け、インゴール中央に飛び込んだ。この日二つ目のトライを奪った村田は「こんなにゲインできると思わなかった」。 報徳学園の選手たちが意識していたのは「外に振ること」。駄目押しのトライにつながった前半27分の鮮やかな攻撃は、そのために仕込んでいたサインプレーだった。「(うまくはまって)気持ちよかったです」とはにかんだ村田。毎日のように練習を重ねてきたプレーだっただけに、喜びもひとしおだった。 スペースにボールを運ぶラグビーは報徳学園の伝統だ。前々回大会ではそのスタイルで準優勝に輝いた。今季のチームはその戦いぶりを見て入部した2年生が先発メンバーに多く名を連ねる。村田も花園の決勝で戦う先輩の雄姿を観客席から見て、「自分もあの舞台に立ちたい」と触発されたという。 Bシード校に快勝し、上位進出へ弾みをつける1勝となった。次は前回大会3回戦で2点差で惜敗した東海大大阪仰星(大阪第2)が相手。リベンジとなるか。【吉川雄飛】