身長が伸びて首や肩のこり、猫背、反り腰の解消にも効く…簡単に背中をほぐせる運動の秘訣
(2)犬のポーズ(黒目バージョン)
次に「犬」のポーズ。一度息を吐き、そのあと大きく吸いながら、数秒間、背中を反らせます。犬が「尻尾を天井に向ける」イメージです。 最大のポイントです。このとき通常のヨガなら、顔を天井へと向けながら、目線も天井へ向けます。しかし本書の「黒目キャット&ドッグ」では、目線は絶対に上げません。目線は床のほうへしっかり下げてください。 ここが、よくある「キャット&ドッグ」と真逆の点です。 続けていると、首の後ろや左右の肩甲骨の間くらいの場所が、ピリピリとすることがあります。それは狙ったとおりの場所に刺激が入っている証拠です。ぜひそのまま、10往復ほど続けてみてください。 それでは、身長をもう一度測ってみましょう。 少しでも背が高くなっていませんでしたか? 本書の編集者が、取材後に出版社へ戻って同僚に試してもらったところ、3人中2人が「2センチ強も背が伸びた!」とビックリしたそうです。
「背中がほぐれると、良いことしか起こらない」
「背中なんて意識したことない」「こりも痛みもないから大丈夫」という人もいるかもしれません。 じつは背中(背骨)をうまく使えていないため、さまざまなトラブルが起こっている人がとても多いのです。 背骨が硬くなって動きが少なくなるため、首や肩のこりがひどくなったり。 体幹がグラグラして姿勢を保つことができず、猫背や反り腰になったり。知らない間に身長が縮んでいたり。はたまた肺がふくらみづらくなり、呼吸が浅くなったり。 逆に言うと、背中がほぐれているだけで、無数の症状の改善・解消へと向かいます。「身長が伸びる」という劇的な変化は、まさに背中ほぐしの成果です。
チーターのように背中をうねらせたい
チーターの話をさせてください。 いわずと知れた〝陸のスピードキング〟チーター。獲物を狙って狩りをするとき、瞬間的には時速100㎞超という異次元のスピードを誇りますが、その秘密をご存じでしょうか? わかりやすく言うと、チーターは背骨をまるでバネのようにうねらせ、そのはじける力を利用して瞬間的に速く走っています。速く走るには「背骨がうねらなきゃ話にならない」わけです。 私たちがチーターにまず学びたいのは、このうねる背骨です。 そもそも人間の背骨は、S字型のカーブを描いています。 このカーブは、人間が直立歩行になるときに必要にせまられ生じた進化です。 とはいえ直立歩行の場合、重力の影響をストレートに受けるため、背中も腰も、上半身一帯は固まりがち。なるべくやわらかくすることが重要です。