1対1取材も「英語でやりますよ」ドイツ紙記者も魅了する堂安律の“コミュ力”…「これまでのベストシーズン」の秘密は「語学力の成長」にあり
「僕は努力の人間」
という英語での問いに、堂安は「いい質問ですね」とつぶやき、一度英語で答えた後に少し考えてから、さらに日本語で話し出した。より丁寧に自分の思いを語ろうとしたのだろう。先ほどまでにこやかに答えていた堂安の表情が、この時はひときわ真剣になった。 「僕は自分のことを努力の人間やと思っているので、努力を推奨したいです。現実的にタレント、才能を持っている奴が本気で努力したら勝てないかもしれない。ただ、努力だけでトップレベルまで上りつめた選手もいますし、僕はそれほど才能があったわけじゃないと思ってるんで、やっぱり努力の方が大事だと思う。60-70%以上は努力の方が大事だと思います」 この答えは2人のドイツ人記者にとって印象深いものだったようだ。自分達の価値観に近いところがあるからだろうし、ブンデスリーガのクラブで活躍している選手が地に足をつけてハードに取り組んでいる姿勢に、共感できることも大いにあったのだろう。
記者の心をがっつりつかむ
インタビュー後にヴァイゲント記者は「あんなにオープンにフレンドリーに話してもらえると思ってなかった。英語もとても上手だし、とても素敵なインタビューになった」と振り返っていた。最後に息子のためにとサインをお願いすると、堂安はにこやかに対応。フレンドリーに応じてくれたことに彼も改めて感激していた様子で、どうやらがっつり心をつかまれたようだ。 今季の堂安はピッチ上でも優れたパフォーマンスを披露している。第14節終了時でチームトップとなる5ゴールをマーク。11月30日のボルシアMG戦でも見事なゴールでチームの3-1での勝利に貢献し、地元メディアは殊勲の堂安の声を聞こうと試合後のミックスゾーンでは彼のところに集まっていた。英語で今季好調の要因について問われると、試合後すぐでも英語でしっかりと答える。
チームメイトとの理解度の深まり
「数字で見ると、今季はこれまででベストシーズンといえるかも。でもそれは僕個人がトップコンディションだからではなくて、監督やチームメイトが僕のことをよりよく知ってくれていることが理由だと思います。僕もチームメイトのことをより深くわかってきたし。そのことが大事だと思います」 確かに試合中でもハーフタイムでも試合後でも、堂安はチームメイトとよく話をしている。この試合でいうと、ハーフタイムにMFニコラス・へーフラーと激しめなジェスチャーを交えて話をしていたので、そのシーンについて尋ねてみた。 「ちょっと言い合いですね」 なんでパスくれないんだみたいな? 「はい、それ以上は言えないです」 と言って笑った。言葉をぶつけることで仲たがいしたりするわけではない。思うところをぶつけてイメージ共有を図り、そうすることで互いのプレーを改善し、修正する。そうした関係性と信頼関係ができているのが素晴らしい。
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