シベリア抑留で死亡した旧陸軍兵 80年の時を経て、横浜の娘の元へ遺骨 「よく帰ってきてくれた」
第2次世界大戦後、旧ソ連のシベリアに抑留されて死亡した旧日本陸軍上等兵の寄友(よりとも)壯一さん=山口県下関市出身=の遺骨が21日、およそ80年を経て横浜市内に住む遺族の元に戻った。現地で収集された遺骨と遺族から提供された検体をDNA鑑定したところ、親族関係があるとの結果が導かれた。極寒の地で倒れた父の遺骨を抱いた娘は「よく帰ってきてくれました」と手を合わせた。 【写真で見る】抑留中に33歳で亡くなった寄友壯一さん 横浜市鶴見区の自宅で、県職員から遺骨を受け取ったのは長女の太田尚子(ひさこ)さん(79)。2013年に90歳で亡くなった母鈴子さんが書き残した記録などによると、壯一さんは満州(現中国東北部)で会社を設立し、物資の納品や牧場経営などをしていたという。 戦況の悪化が著しい1945年5月に招集され、最終的にハバロフスク地方に抑留されたとみられる。厚生労働省によると、同年12月に当地の病院で風土病で亡くなった。33歳だった。
神奈川新聞社