“封印”を命じられた西武・森は、もう捕手をあきらめるべきなのか?
キャンプ、オープン戦と通じて捕手に本格挑戦していた西武の3年目、森友哉(21)に「捕手封印」の決断が下された。先日、阪神とのオープン戦後の監督会見で、田邊監督が「DHで打撃に専念してもらう」と明らかにしたもの。昨季は1試合もマスクをかぶらず、DHで108試合、ライトで23試合でスタメン起用されたが、今シーズンもDHを軸に交流戦などでは外野の守備につく方向。捕手については、1軍での試合出場機会は与えられないが、親子ゲームなどがある場合の2軍戦などで続けていくという。 「打てないとチームに貢献できない」。そう語った森がどう受け取ったのか。本音はわからないが、対外試合では大学生を相手の2軍戦でも盗塁を許すなど、守りに神経を使うことでバッティングの方に、一時打率が1割台に低迷するなどの影響が出ていた。 「打てる捕手」を6番あたりに置ければ、DHは外国人や、おかわり君を休ませる枠として有効に使えて打線の厚みが増すのだが、まだプロ3年目の森をDHで起用しなければならないところに苦しいチーム事情も見え隠れしている。 では、もう森は捕手をあきらめるべきなのか? 元千葉ロッテの名捕手、里崎智也氏の意見を聞く。 「捕手の基本は、投げる、取る、止めるの3つですが、試合数もこなせないキャンプの1か月間だけで、捕手の基本スキルを身につけることができるほど甘くはありません。それほど特殊なポジションです。まずは、基本スキルで配球については二の次ですが、最低、交流戦も含めると12球団のレギュラークラス全員の長所と短所、傾向は記憶しているくらいの準備も必要になってきます。そう考えると、森を捕手として育てるつもりならば、思い切って2軍で1シーズン使うしかありません。 それが、もしできないのであれば、いつまでたっても捕手のスキルを取得することはできないでしょう。球団が、将来的にどうしたいかでしょうが、どうしても、今の森のバッティングが1軍の戦力として外せないのであれば、中途半端に捕手をやらせるよりも、もう捕手は断念して本格的に野手に転向させた方が良いと思います。実際、西武では和田一浩さんや、日ハム時代の小笠原道大さんのように何年か捕手をやってからコンバートして成功している例はあるわけですからね。 ただ個人的には、森が捕手のスキルを身につけることができれば、侍ジャパンの堂々のポジションを奪うような選手になれるでしょうし、長い目で見ると西武にとって大きなプラスだと思いますが」