「UFO議連」の未確認な正体 米政府との連携は期待できる ロケット開発も加速すべきだ
【日本の解き方】 超党派の「安全保障から考える未確認異常現象解明議連」の設立総会が6日に開かれる。設立理由について、未確認飛行物体(UFO)を含めた「未確認空中現象(UAP)」が、安全保障上の脅威になりうると指摘している。 「UFO議連」は、設立趣意書で「UAPが他国の最新鋭の秘密兵器や、無人偵察機のようなものであれば、わが国の安全保障にとって大きな脅威となり得る。専門的に情報収集・分析する機関が必要不可欠だ」と対策の意義を強調している。議連会長に自民党の浜田靖一国対委員長、幹事長には小泉進次郎元環境相が就任した。 UFO議連はややもすると、その名称から揶揄(やゆ)されがちだが、「航空軍事用語」なのか「超常現象」を指すのかを区別しなければならない。前者であればまともだ。 議連は何を議論しても構わない。今後呼ぶ講師や役所関係者から議連の性格が分かるだろうが、UAP問題に詳しい米国防総省の元幹部が講演するというから今後の議論に期待したい。 正直いえば、多少ミステリアスなほうが一般国民の関心を呼ぶので、そのほうが、かえって良い議論につながる可能性があると思っている。 UFOというと、超常現象が頭に浮かび真面目に取り扱われないことが多い。しかし、米国防総省は2022年7月、UAPを調査する全領域異常対策室(AARO)を設置した。AAROによると、日本上空でもUAPの目撃報告が寄せられているという。 日本の自衛隊では目撃報告はないというが、報告することのデメリットを警戒しているのではないかともいわれている。 筆者自身はそうした経験はないが、今後報告が気兼ねなく行えるような環境は必要だろう。少ない可能性であると思うが、重要情報が見過ごされるリスクは看過できない。 議連は今後、米AAROの日本側カウンターパートとなる機関を設け、米政府との連携を進めるよう政府に働き掛けるというが、その方針は妥当だろう。 そこにとどまらず、宇宙開発を進めることは重要だ。ロケットは地球の自転を考慮すれば真東か南北方向に打つのが合理的であるが、日本には東も南も海が開けており地の利がある。これを生かさない手はない。