<藤浪晋太郎が激白 第1回>まだ60%の力しか出せていない
――藤浪選手は、まず目標を定め、そこから逆算して今やるべきことを考えているそうですね。 「僕は何勝するとか具体的な数字を出して目標は挙げません。『どういう風になりたい、こうしたい』と、シーズン途中に見えてくるものもあります。でも、それは160キロを投げたいというような目標でもありません。『もっと勝てるだろう、もっと長いイニングも投げれるだろう』と、チームの信頼を得て勝てるピッチャーになるためには、何をすべきかを考えています。プロは結果が一番大事な世界です。今の自分を磨くことを大事にしています」 ――今季は、規定投球回数(144回)に6回1/3だけ届きませんでした。 「投げようと思えば投げられました。前半は球数の制限などがありましたからね」 ――秋季キャンプではクロスステップの修正に取り組んでいますね。私も、夏頃、「クロスステップ論争」という記事をTHE PAGEに書きました。クロスステップのリスクとしては、ボールのシュート回転、故障の可能性などが考えられます。今回の修正は、球団、首脳陣からの提案を理解した上で決断したのですか? 「決断とか大げさなものではありません。自分で考えてやっているもので、上に言われたから、コーチに言われたからで、やっているのではありません。自分で取捨選択をしていいと思ってやっていることなんです」 ――練習を見させてもらいましたが、想像していたより大胆な修正ではないですね。中西投手コーチは、「スパイク幅1足半くらいの修正。これまでのフォームでは膝や腰に大きな負担がかかるので、将来を考えての取り組み」と言っていました。 「凄く直して、極端に真っ直ぐにする必要があるのか?というと、そうではないと思っています。ケガのリスクを抑えるのが一番の理由でケガの予防のためにやっているつもりです」 ――確かにあのフォームでは、体への負担は大きいと思います。長いプロのシーズンで後半戦に何かしらの影響が出ていましたか? 「それはありませんでした。今年1年目は(インステップによる)故障もなく(悪影響は)なにもなかったので、今、直さなくともよかったのかもしれません。しかし、長い目で考えて、このフォームでは体への負担がかかるのかもしれないと考えたんです」