【スクープ】グーグルが日本のマスコミに「宣戦布告」か…新聞社に突きつけた「不平等条約」の中身と「AI記者」驚愕の実力
新聞記者はAIにとってかわられる。そんな未来予測は、まず日本から現実になるのか。世界最大の検索エンジンが、この国の新聞社に突きつけた条件は、業界の存亡をも左右しかねないものだった。 【写真】グーグル、日本のマスコミを駆逐するのか…?
人工知能を積んだ黒船
1854年早春、黒光りする9隻の軍艦が浦賀沖に現れた。武力を背景に、アメリカが日本に「不平等条約」を強いたことは、日本人であれば誰もが知るとおりだ。 それから170年。多くの国民が気づかぬうちに、いま新たな「不平等条約」が結ばれようとしている。もっとも、かつてのように軍艦や大砲をちらつかせて、ではない。舞台は、いまや生活の必需品となった「ネット検索」なのだ。 この春、新聞各社に静かな衝撃が走っている。ある全国紙の関係者が明かす。 「'21年以降、国内の主要紙と地方紙あわせて50社以上が米グーグルと契約して、同社の『ニュース ショーケース』という記事配信サービスに記事を提供してきました。 今年はその契約更新の年で、グーグルから新しい契約条項の提案があったのですが……」 その中に、気になる一文があるのだという。 今回、本誌の取材に水面下で応じた複数の新聞社は、それぞれ個別にグーグルと契約を結び、守秘義務を負っている。くわしく書くと証言者が特定されてしまうおそれがあるため、ぼかした表現になるが、おおよそこんな内容だ。 〈ニュース ショーケースに記事を提供する新聞社が、グーグルからその対価を受け取る場合、生成AIを含むグーグルの他のサービスでも、記事の使用を幅広く認める〉
現代の「不平等条約」
生成AIとは、昨年日本でも大きな話題になった「ChatGPT」のように、「膨大なデータを学習し、文書や画像・映像などを生み出す人工知能(AI)」のこと。グーグルも、独自の生成AI「ジェミニ」を開発しており、一部のサービスで試験的に導入している。 生成AIがニュース配信にも使われるなら、便利になりそうなものだが、どこがまずいのか。 「まず、『他のサービス』とはどんなサービスなのか明記されていない点です。ご存じのとおり、グーグルは新しいサービスを日々リリースしています。われわれ新聞社はあくまで『ニュース ショーケース』にだけ記事を提供しているのであって、『グーグル側の裁量で他のサービスにも記事を使わせろ』『それが呑めないなら、契約を打ち切る』というのは、あまりにも不平等です」(前出・全国紙関係者)