市民・帰省者向けに有料観覧席を設置 死傷事故以来11年ぶり開催の福知山花火大会
平成25年の露店爆発事故以来11年ぶりとなる京都府福知山市内での大規模な花火大会を計画する「福知山HANABI実行委員会」と市が記者会見を開き、開催概要などを発表した。市民と帰省中の人向けに有料観覧席のチケットを販売する。打ち上げ前に事故の犠牲者に黙禱(もくとう)をささげ、河川敷には献花台を設ける。 実行委は、まちづくり活動などに取り組んでいる一般社団法人「DOKKOISE」と福知山観光協会、市内の3つの商店街で構成。大会は市が後援する。 開催概要などによると、大会は8月11日に事故が起きた由良川河川敷で行い、午後8時からの約20分間に約2千発の花火を打ち上げる。会場の河川敷には市民と市内に帰省中の人を対象にした最大2350人分の有料観覧席を設ける。今月中旬からチケットの販売を始める予定。混雑回避のため、市民にはなるべく自宅周辺での観覧を求める。 露店は店主らの身元が分かる15店舗に限定。炭火、IH調理器具以外の火気の使用などを認めない。雑踏事故防止のため、由良川にかかる音無瀬橋や堤防上の道路を封鎖。警備員ら約260人態勢で見物客らの誘導にあたる。 実行委の奥田友昭・実行委員長は「花火大会を楽しみにしている市民も多い。安全最優先で開催し、来年以降も続けていきたい」と話している。大橋一夫市長は「(後援に)必要な条件を満たすことができると判断した。今後も関係機関との協議・調整や点検を積み重ね、安心安全に開催されるよう助言・指導を行っていく」とコメントした。 事故は25年8月15日に発生。「第72回ドッコイセ福知山花火大会」の会場となった由良川河川敷で、露店主が発電機にガソリンを給油しようとした際、携行缶からガソリンが噴出して引火し爆発。見物客3人が死亡した。(橋本亮)