堀江貴文も納得。老眼・入れ歯・耳が遠い…ショックを受ける前に検討すべき“老化の定番”克服法
最先端医療を8年以上取材し続けている堀江貴文氏が、現代人が知っておくべき健康投資についてまとめた書籍『金を使うならカラダに使え。 ⽼化のリスクを圧倒的に下げる知識・習慣・考え⽅』が発売された。今回は、この書籍の元となったゲーテの人気連載を振り返り、誰にでもやってくる“身近な老化”の対処法を紹介する。※過去掲載記事を再編 【写真】金を使うならカラダに使え。 老化のリスクを圧倒的に下げる知識・習慣・考え方
日本人の多くが、補聴器の買い方&使い方を間違えている
堀江貴文(以下堀江) 聴力の低下は、仕事上の誤解や判断ミスにつながりかねない。自分で気になったら、積極的に受診や検査をすべきかも。聴力の回復には、やはり補聴器ですか。 小川 郁(以下小川) 耳に残存聴力があれば補聴器です。ただ、日本では聴覚の低下を感じても多くの方が医師の診断を受けないので、補聴器利用が望ましい難聴者の14%程度しか使っていないというデータがあります。さらに、補聴器の購入時に耳鼻咽喉科を受診した人は42%。そのためか、補聴器の満足度を調べると日本は非常に低い。2018年の調査によると、イギリス、フランス、ドイツは74~82%の満足度ですが、日本はわずか38%。自分の難聴程度や症状の診断をせずに購入しているためと思われます。 堀江 補聴器の使用率が低いのはなぜですか? 小川 装着時の見た目への拒否感、そして、補聴器が高価で、日本では、購入に際しての公的補助がほぼないことも要因です。そしてもうひとつ、メガネと同じように、つけさえすれば聴こえるだろうと思って購入してしまうのも原因でしょう。本来、補聴器で快適に聴こえるようになるためには、聴覚リハビリテーションが必要ですが、そういった正確な情報がないまま、販売されているのが現状ですね。 堀江 今の補聴器はどんな機能を持っているんですか。 小川 耳の中にすっぽり入って目立たないものとか、耳の後ろ側にひっかけるタイプが人気です。聴き取りたい方向以外の音をカットする指向性の向上とノイズ抑制、ハウリング抑制など、機能も進歩しています。とはいえ、補聴器の装用で内耳の有毛細胞が正常な状態に戻るわけではなく、まばらな有毛細胞によって少ない情報を聴覚中枢に届けていることに変わりはありません。ですから、個々に合わせた補聴器選びと、聴覚リハビリテーションが必須なんです。 堀江 購入の仕方が重要ですね。 小川 40~50代ですべきことは、年に1度の健診を必ず受けて、異常があったら精密な聴力検査を受けること。受診は耳鼻咽喉科で、補聴器が必要かどうかの判断もしてもらえます。日本の耳鼻咽喉科医は1万人超で、そのうちの半数くらいは補聴器相談医の資格も持っています。補聴器についての研修を定期的に受けている医師がいる医療機関がよいでしょう。補聴器の購入を決めたら、補聴器相談医に補聴器適合に関する情報提供書を発行してもらいます。補聴器購入費用の医療費控除のために必要です。購入は認定補聴器専門店という、補聴器を調整する専門スタッフがいる販売店を紹介してもらってください。そこには認定補聴器技能者という準国家資格を持った専門家がいますから、補聴器の調整とリハビリテーションを受けられます。このルートでの購入なら、自分に合った補聴器を購入でき、満足して使えると思います。