給付費の不正受給が明らかになった金沢ゆとり学園＝金沢市長坂２丁目

　　●刑事告訴しない方針 　金沢市は14日、児童発達支援と障害児を預かる「放課後等デイサービス」に関し、給付費1066万1351円を不正に受給したとして、障害児通所事業所「金沢ゆとり学園」（同市長坂2丁目）に行政処分を行った。児童福祉法に基づき、同日から6カ月間、新規利用者受け入れを停止する。市は運営法人が返還の意向を示しているとして刑事告訴はしない方針。 　市の障害者支援に関する給付費の不正請求は、市が事業所の指定権限を持った2012年度以降で3件目で、金額は最大となる。 　市によると、金沢ゆとり学園は19年9月～21年11月、一部の児童について自宅と学校間の送迎のみを行っていたにも関わらず、事業所内でサービスを提供したと偽り、給付費を受け取った。19年4月～21年11月には、看護職員や保育士など必要な有資格者がいない状態で送迎や時間延長支援を行い、加算される給付費を不正請求した。 　市が22年1月に行った3年に1回の運営指導で不正請求の疑いが浮上した。市が法人に求める返還額は、不正請求額に40％の加算額を合わせた計1492万5891円となる。 　　●代表理事不正認め「罪悪感があった」 　金沢ゆとり学園を運営する法人の吉浦二郎代表理事（53）は北國新聞社の取材に、不正請求を認めた上で「悪いことだと分かっていて、罪悪感があった。職員や利用者に迷惑を掛けて申し訳ない」と語った。不正請求した給付費は運営に充てていたといい、今後はルールを守り、信頼回復に努めるとした。