日鉄がUSスチール買収審査で延長獲得、米選挙後に判断先送りへ
CFIUSは、外国企業による米国内企業などの買収提案を精査する委員会だ。審査は通常、日本のような同盟国ではなく、中国などを対象としている。
事情に詳しい関係者によれば、CFIUSの判断期限は9月23日だった。今回の再申請の動きで事実上、90日間の審査期間が新たにスタートすることになるが、判断はそれよりも早く下される可能性もある。
日鉄、バイデン政権に翻意促す-USスチール買収で土壇場の働き掛け
ホワイトハウスのシャーマ報道官は17日夜の声明で、「USスチールが国内で所有・運営される米鉄鋼会社であり続けることが極めて重要だというのが大統領と副大統領の立場だ」と指摘。いわゆる「遅れ」というものはなく、CFIUSから勧告を受け取っておらず、CFIUSのプロセスは続いていると述べた。
数年にわたり業績が低迷しているUSスチールは、同社施設には多額の新規投資が必要で、日鉄による買収が完了しなければ、一部の工場は閉鎖され、本社をピッツバーグから移す可能性もあると警告している。
日鉄は今回の取引から自発的に手を引く計画はないことを示唆している。
森屋宏官房副長官は18日午前の定例会見で、報道については承知しているとしながらも、「個別の企業の経営に関する事案でコメントを差し控えたい」と述べた。その上で、「日米相互の投資の拡大を含めた経済関係の一層強化、インド太平洋地域における持続的・包摂的な成長の実現、安全保障分野における協力等は互いに不可欠であると認識している」と話した。
原題:Nippon Steel to Get Extension, Pushing Deal Review Past Vote (1)(抜粋)
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Josh Wingrove