オウム事件の裁判の経過は? 確定した死刑囚は13人 早稲田塾講師・坂東太郎のよくわかる時事用語
複数の死者を出した坂本堤弁護士一家殺害事件、松本サリン事件の実行犯、地下鉄サリン事件での散布役がほぼ死刑判決を受けています。唯一の例外は地下鉄サリン事件での散布役でありながら、別件で身柄を拘束された際に進んで「私がサリンをまきました」と自首した林郁夫受刑者で、無期懲役が確定しています。 無期懲役は次の5人です。 ・林郁夫 地下鉄サリン事件散布役 ・中村昇 松本サリン事件警護役 ・北村浩一 地下鉄サリン事件送迎役 ・杉本繁郎 地下鉄サリン事件送迎役 ・外崎清隆 地下鉄サリン事件送迎役 松本サリン事件警護役は他に端本悟死刑囚がいます。しかし彼の場合は、坂本弁護士事件の実行犯という、より凶悪な罪を犯しました。同様に地下鉄サリン事件送迎役も新実智光死刑囚がいますが、彼は他の多くの犯罪に手を染めています。公判でもずっと松本死刑囚に帰依する姿勢を示し続けました。
■現在進行中の裁判
なお、一連の事件に関わりながら逃走を続けてきた平田信、高橋克也、菊池直子の3容疑者は2011年末から12年にかけて逮捕され、裁判が進行中です。平田被告は2審判決まで進んでいて懲役9年、菊池被告は1審で懲役5年、高橋被告は1審中です。 この3人を除くオウム真理教事件に関わる判決はすべて確定しており、計189人に上りました ちなみに教団の表の顔として有名だった上祐史浩氏は主要な殺人事件との関係がなかったとされ、オウム真理教が熊本県に進出した歳の国土利用計画法違反の刑事裁判にからんで、偽証と有印私文書偽造・同行使罪に問われ最高裁は上告を棄却し、懲役3年を1998年に言い渡しました。すでに服役済みで「ひかりの輪」という団体を設立し代表として宗教活動を行っています。
--------------------------------------------------- ■坂東太郎(ばんどう・たろう) 毎日新聞記者などを経て現在、早稲田塾論文科講師、日本ニュース時事能力検定協会監事、十文字学園女子大学非常勤講師を務める。著書に『マスコミの秘密』『時事問題の裏技』『ニュースの歴史学』など。【早稲田塾公式サイト】