パリ五輪開催期間中のウーバーイーツ配達でガッポリ稼ぐコツは?【チャリンコ爆走配達日誌】
連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第61回 ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります! * * * 現地時間の7月26日に開幕したパリ五輪。サマータイム期間中のためフランスと日本の時差は7時間。朝から開催される競技もありますが、決勝戦などのメダルが決定する注目の試合は夜7時から10時ぐらいに多く設定されています。フランス時間の夜7時は日本時間の深夜2時、夜10時は早朝5時。ということで深夜を中心に生中継されます。 私が主に配達をしている東京・日本橋エリアは、夜10時を過ぎると注文依頼の数が減り、日付を超えると依頼の数は1時間に1回くるかどうかという感じになります。ですが、五輪観戦の際は、ひとりで応援するときも大勢で応援するときも、飲食しながらテレビ画面を見入るもの。 ということは、五輪期間中は深夜の配達で結構稼げるのではないか。そんなわけで、開会式の前に行なわれた男子サッカー(深夜2時開始)、女子サッカー(深夜0時開始)、開会式(深夜2時30分開始)の日に配達をしてみました。 男子サッカーの日本対パラグアイ戦の日に配達を始めたのは深夜0時。最初に依頼を受けたのは0時20分ごろ。近くのカレー屋で商品を受け取り、届けたのは東京駅近くのビジネスホテル。ロビーに受け取りに来たのは日本に観光に来たと思われる海外の方でした。続く配達は40分後、牛丼屋からひとり暮らしの方が多いであろうマンションへの配達でした。 このような配達は、普段の深夜の配達でもよくあるパターンなので「パリ五輪需要はないのかな」なんて思いながら、2件目の配達を終えると、直後にコンビニからお酒やドリンクをたくさん運ぶ依頼が。さらにラーメン屋、ピザ屋から大量の商品を配達する依頼を受注。試合の前半が終了する深夜3時ぐらいまで配達依頼が途切れることはありませんでした。 ただ、1件あたりの配達料が400円ほどと安く、注文が集中したのは深夜1時から3時の2時間と短かったため、稼ぎはクエストと呼ばれるボーナスと合わせて3312円。「普段の深夜の配達よりは稼げたけど『おいしい』と思えるほどは稼げなかったな」なんて思いながら自宅に戻り、配達員用のアプリを確認すると、3312円だった稼ぎが5538円になっていました。 詳しい配達記録を見ると、収入の欄に「チップ¥2226」の文字が。さらに細かく調べると、7件中4件の方からチップをいただいていたことがわかりました。最近は海外の方からもチップをもらえることがほとんどなくなり、この2、3ヶ月はチップをいただくことはなかったので、画面を見て驚きました。そしてサッカーの結果を見て納得しました。おそらく日本が5-0と快勝したのでチップを弾んでくれた方が多かったのでしょう。 翌日の女子サッカーの日も試合開始2時間前から配達スタート。この日は配達を続けるうちに、日本橋から新橋へ。さらに深夜の注文依頼が多い六本木、渋谷へと流されたため配達の回数は多く、サッカーの応援をされている方へピザなども届けることができました。 ですが、1配達あたりの単価が前の日より安く、前日の倍、14件の配達をしたのですが稼ぎはクエストボーナス込みで5043円。前日はたくさん入ったチップも0円。自宅に戻りサッカーの結果を見ると、日本は負けていました。 開会式の日も2時間前の深夜0時30分に配達スタート。前々日、前日とも配達依頼はたくさんあったので、この日も稼げると思ったのですが、3時間待機して入ってきた依頼は2件だけ。稼ぎは1255円と普段の深夜の配達とほぼ変わらず。サッカーの時とはうって変わって五輪による注文依頼の増加はまったくありませんでした。 翌日、再放送を見て私個人が感じたのは、インパクトのある開会式だったけど、みんなでお酒を飲み、食べ物をつまみながら鑑賞して盛り上がるものではないということ。どうやらウーバーの需要が高まるのは、みんなで2、3時間応援できる競技が開催される日なのではないかと。 なので五輪期間の深夜の配達は、サッカー、バレーボール、バスケットボール、卓球といった、日本がメダルの取れる可能性のある競技で1試合にある程度時間のかかる競技の開催日、チップがもらえる可能性の高い日本が勝てそうな試合の日を中心にやってみようと思います。 文/渡辺雅史 イラスト/土屋俊明