「0÷0=1」!? 解なし?無限大「∞」!? なぜ0で割れないの?割り算の素朴なギモンに塾講師が回答
◆「a×0=0」だけど、「a÷0=0」は誤答
割り算で「どうして0で割ってはいけないの?」と子どもに聞かれたらどう答えますか。 まちがっても「そういうルールなの!」などと乱暴な返答をせず、丁寧に答えてあげたいものです。 【Google電卓の画像】18を0で割ると「Infinity(無限)」に!? 一般的に、小学校で習う足し算や割り算などの四則演算では、「逆算」が可能とされています。たとえば「18÷6=3」の逆算は、「3×6=18」のような感じです。 これを0で割る計算で考えてみましょう。たとえば「18÷0=0」に当てはめると、「0×0=18」となり、この時点で逆算はできないためアウトです。「0×0=0」だからです。 「18÷0=0」と誤答してしまうケースでは、恐らく「0に何をかけても答えは0」という、0のかけ算のルールの感覚で深く思考せずに回答してしまっているのでしょう。
◆「a÷0」の回答は解なし? 無限大!?
さらに「18÷0=□」とおいて逆算を試みてみましょう。この逆算は「□×0=18」となります。0にどんな数字をかけても答えは0なんだから、これを満たす□は考えようがありません。 よって「18÷0=解なし」となるわけです。 でも、「18÷0」は計算できないから「解なし」だよと教えるのでは、算数がたんなる“暗記”になってしまいます。そこでここをもう少し掘り下げていきましょう。 「18÷1」の答えは何ですか? そう、「18」ですよね。では「18÷0.1」はどうでしょう。答えは「180」となります。こんなふうに割る数を、どんどん小さくしていくことを考えてみます。 すると、おもしろいことがわかってきます。 18÷1=18 18÷0.1=180 18÷0.01=1800 18÷0.001=18000 このように割る数を0に近づけていくと、答えはどんどん大きくなります。よって「18÷0」の答えは「∞(無限大)」としてもよさそうです。 でも、ちょっと待ってください。中学1年生になると「負の数」を学びます。そこで次にこんな式を考えてみましょう。 「18÷(-1)=-18」。この割る数を「-1」から少しずつ大きくしていきます。 18÷(-1)=-18 18÷(-0.1)=-180 18÷(-0.01)=-1800 18÷(-0.001)=-18000 こんどは答えがどんどん小さくなっていきました。この調子で割る数をどんどん「0」に近づけていくと、答えは「-∞(マイナス無限大)」となっていきます。 算数のテストの回答には「解なし」と書くべきとは思いますが、「∞」とか「-∞」という解答も絶対に間違いとは言いきれないかもしれません。