バイデン氏、大統領選でトランプ氏を「打ち負かせた」　米紙に思い語る

アメリカのジョー・バイデン大統領（82）は、8日に公開された米紙USAトゥデイのインタビューで、昨年11月の大統領選挙で自分はドナルド・トランプ前大統領を破り、再選を果たすことができたとの考えを示した。 ただ、新たに4年の任期を全うするだけの体力があるのかはわからないと、バイデン氏はインタビューで述べた。 そして、「今のところは順調だ」、「だが86歳になったとき、どうなっているかは誰もわからない」とした。 バイデン氏はまた、共和党の下院議員だったリズ・チェイニー氏や、国内の感染症対策のトップを務めたアンソニー・ファウチ氏など、トランプ氏と敵対してきた人たちに、あらかじめ恩赦を出しておくことをまだ検討していると説明。 大統領選の直後に大統領執務室でトランプ氏と会談した際、恩赦について「トランプと非常に率直に」話したとした。 会談では、バイデン氏が「必要なことではないし、過去に戻って仕返しをするのは彼の利益にならないと明確に伝えようと努めた」ところ、トランプ氏は反論せず、「基本的にただ聞いていた」とした。 そのうえでバイデン氏は、最終的な決断はトランプ氏が誰を閣僚に選ぶかにかかっていると述べた。 バイデン氏によると、同じ会談で、トランプ氏はバイデン氏の経済面での実績を「ほめた」という。 「彼（トランプ氏）は、私が良い実績を残していくと考えていた」 ■高齢のことは考えていなかった USAトゥデイのインタビューは、バイデン氏が紙媒体に対して行った、これまでで唯一の退任インタビューとなっている。 バイデン氏へのメディア取材は、ホワイトハウスが厳しく管理している。昨年7月21日に大統領選から撤退してから、記者会見は開いていない。 息子のハンター・バイデン氏に対し、完全かつ無条件の恩赦を与えたことについては、バイデン氏は正当性を主張した。ハンター氏が脱税と銃の違法購入の二つの刑事事件で有罪判決を受けたあと、バイデン大統領は繰り返し、恩赦は与えないと表明していた。 バイデン氏は1972年に上院議員に初当選した。昨年の大統領選では、年齢と認知機能の衰えが懸念されるなか、撤退をいやがっているとされ、民主党内で批判の声が出た。 バイデン氏は今回のインタビューで、「世論調査に基づけば」自分が勝利していたと信じていると述べた。一方で、年齢が職務遂行に影響したかもしれないと認めた。 バイデン氏は、「トランプが再選を目指して立候補したとき、彼を打ち負かす可能性は最大限あると本当に思っていた。だが、85歳や86歳で大統領になっていることは考えていなかった」、「でも、どうなっていたかわからない。わかる人などいない」と述べた。 大統領選でカマラ・ハリス副大統領がトランプ氏に敗れたあと、ナンシー・ペロシ元下院議長ら民主党の幹部からは、バイデン氏がもっと早く撤退していれば、よりよい結果が得られていたかもしれないとの声が上がっていた。 （英語記事　Joe Biden says he could have defeated Donald Trump）